現金交換できない収入印紙、郵便局で他の印紙と交換

 取引先から贈られてきた商品券やビール券などの金券を「チケットショップで現金化」という企業も少なくないが、同じ金券でも「収入印紙」を現金化することはできないので注意したい。また、貼り付けた部分を切り取ったり、用紙からはがしたものは交換や還付を受けられないことになっている。そこで、国税庁では収入印紙の交換及び印紙税の還付に関して注意を呼び掛けている。

 郵便局では、未使用の収入印紙や白紙または封筒等に貼り付けられた収入印紙と他の収入印紙との交換を行っている。ただし、交換の際には1枚につき5円の交換手数料(10円未満の収入印紙についてはその半額)が必要。また、客観的にみて明らかに印紙税の課税文書でないものに貼り付けた収入印紙(例えば、白紙または封筒、行政機関に対する申請・届出の際に提出する申請書等の文書)は交換の対象となる。

 ただし、租税や国の歳入金の納付に使われた収入印紙は交換できない。ところで、税務署では、契約書や領収書などの印紙税の課税文書に誤って過大に収入印紙を貼り付けてしまったような場合には、過誤納金として還付を行っている。収入印紙が貼り付けられた文書を税務署の法人課税部門(間接諸税担当)へ持参の上、相談を。ただし、高額な収入印紙については、一旦税務署が預かる場合もある。

 印紙税の還付の対象となるのは、(1)請負契約書や領収書等の課税文書に貼り付けた収入印紙が過大なもの、(2)委任契約書などの課税文書に該当しない文書を課税文書と誤認して収入印紙を貼り付けてしまったもの、(3)課税文書の用紙に収入印紙を貼り付けたものの、使用する見込みのなくなったもの。しかし、契約書を作成した後に、その契約書が解除・取り消されたものや、既に交付された領収書、手形などは還付の対象にならない。

 なお、収入印紙は、印紙税の納付のみでなく、登録免許税や国への手数料の納付などにも使用されている。したがって、例えば、登録免許税や特許手数料を納付するために収入印紙を貼り付けたような場合には、たとえ誤って貼り付けたものであっても印紙税法による還付の対象とはならない。また、印紙税法による還付を受ける場合には、「印紙税過誤納確認申請書」に必要事項を記入のうえ、納税地の税務署長に提出する。

 この場合の納税地は、文書の種類や記載内容などによってそれぞれ異なる場合があるので注意したい。申請に当たっては、印紙税が過誤納となっている文書と印鑑、法人の場合は代表者印が必要となる。