太陽光関連業者の倒産、2018年度は過去最多の96件

 太陽光関連業者の倒産が増加傾向となっている。東日本大震災以降、固定価格買取制度(FIT)などの支援策で市場は急拡大し、電源構成に占める割合も増加したが、2019年度の事業用太陽光の買取価格(10キロワット以上500キロワット未満)は14円(前年度は18円)と一段と引き下げられる。こうしたことから、採算の確保が困難となり、関連業者には逆風が吹いており、業態転換を図る事例も多い。

 帝国データバンクでは、2006年度から2018年度までに発生した402社の太陽光関連業者の倒産(法的整理のみ、負債1000万円以上)について、「倒産件数・負債総額の推移」、「倒産態様別」等を調査、分析した。太陽光関連業者とは、(1)太陽光発電システム販売や設置工事、また太陽光パネル製造やコンサルティングなど関連事業を主業として手がけるもの、(2)本業は別にあり、従業として太陽光関連事業を手がけるもの、両方を含む。

 調査結果によると、2018年度の太陽光関連業者の倒産件数は前年比17.1%増の96件となり、5年連続で増加し、過去最多を更新した。2016年以降、高水準の倒産が続いている。2006年以降の倒産件数402件のうち、「破産」の構成比が94.0%に達し、「特別清算」と「民事再生法」がそれぞれ3.0%を占めた。地域別では、「関東」の構成比36.8%が最も高く、次いで「中部」(17.7%)、「近畿」14.9%)、「九州」(14.2%)と続いている。

 従業員別では、「10人未満」の構成比が69.7%、「10~50人未満」が同26.9%を占めており、中小企業の多いことが分かる。業歴は、「5~10年未満」が26.9%で最も高い。これは2012年のFIT導入以降に市場に参入、しかし事業環境が悪化し、市場からの退出を余儀なくされたためとみられる。次いで、「30年以上」の業歴をもつ老舗が19.4%を占めた。これらは本業が別にあり、従業として太陽光関連事業を手がけていた事例が多い。