東京商工リサーチがこのほど発表した「2008年決算の全国主要百貨店の業績調査」結果によると、百貨店経営会社78社の最新期(2018年)の売上高合計は5兆9865億5700万円(前期比0.087%減)、当期利益合計は170億9100万円(前期は46億3400万円の赤字)で、減収増益となった。売上高、利益ともに大きく落ち込んだ前期に比べ、最新期は売上高が微減にとどまり、損益面では黒字に転換した。
ただ、売上高純利益率は0.28%と低水準で、採算性の低さが課題となっている。78社の最新期の増収は25社(構成比32.0%)に対し、減収は53社(同67.9%)で、減収企業が2倍以上の約7割に達する。好調組が全体業績を押し上げた構図となっている。減収企業は、前年比「▲5%~0%未満」が最も多く40社(同51.2%)と半数を占める。次いで、「▲10%~▲5%未満」が11社(同14.1%)で、「▲10%以上」の減収率も2社あった。
損益を開示した77社のうち、最新期は黒字が54社(構成比70.1%)で、赤字が23社(同29.8%)だった。黒字企業率は前期(65.7%)より、4.4ポイント増と、やや上昇した。利益比較ができる76社のうち、増益が43社(同56.5%)で前期の25社(同32.8%)から大幅に増加。全体の最新期の損益合計は、黒字に転換したが、これを裏付けるように増益企業が増え、一定の損益改善がみられたといえる。
利益比較ができる76社では、増収増益が前年は1社(構成比1.3%)だったのに対し、最新決算は17社(同22.3%)と2割に増えた。一方、減収減益は前年が47社(同61.8%)と6割を超えたが、最新決算では24社(同31.5%)に半減した。売上高上位10社のうち、増収増益は5社と半数を占めた(赤字縮小を含む)。売上高トップは、近畿圏や首都圏を中心に全国展開する「髙島屋」(大阪市中央区)の7246億円だった。
2位はセブン&アイ・ホールディングス傘下の「そごう・西武」(東京・千代田区)、3位は「三越伊勢丹」(東京・新宿区)、4位は「大丸松坂屋百貨店」(東京・江東区)と続き、持株会社のもとに経営統合した大手百貨店グループなどが上位を占めた。5位以下は、東京、大阪の電鉄系の百貨店が並んだ。拠点となるターミナル駅に立地し、人の集まる鉄道事業と、知名度の高さを強みに生かしている。
同調査結果は↓