2018年税関の輸入差止件数、7年連続で2.5万件超え

 2018年の税関における知的財産侵害物品の輸入差止件数は2万6005件で、前年比では▲15.1%だったものの、7年連続で2万5000件を超え、引き続き高水準だったことを、財務省がこのほど発表した。輸入差止点数は92万9675点で同83.5%増と、過去5年間で最高水準だった。1日平均で71件、2500点以上の知的財産侵害物品の輸入を差し止めていることになる。輸入差止価額は、正規品であった場合の推計で約135億円にのぼる。

 仕出国(地域)別にみると、輸入差止件数は、「中国」が2万2578件(構成比86.8%、前年比▲20.1%)で、9年ぶりに構成比が9割を下回った。次いで「香港」が1150件(前年比38.9%増)、「フィリピン」が715件(同66.3%増)、「韓国」が525件(同63.0%増)。輸入差止点数でも、「中国」が77万3460点(構成比83.2%、同86.4%増)と、件数、点数ともに中国を仕出しとするものの構成比が依然高くなっている。

 知的財産別にみると、輸入差止件数は、偽ブランド品などの「商標権侵害物品」が2万5284件(構成比96.6%、前年比▲16.0%)と大半を占め、次いで、偽キャラクターグッズなどの「著作権侵害物品」が438件(前年比48.5%増)。輸入差止点数についても、「商標権侵害物品」が72万3650点(同77.8%、同131.0%増)で、大半を占め、次いで、イヤホンなどの「意匠権侵害物品」が11万6597点(同12.5%、同▲13.7%)だった。

 品目別の輸入差止実績をみると、輸入差止件数は、財布やハンドバッグなどの「バッグ類」が9391件(構成比33.0%、前年比▲26.2%)と全体の3割強を占めて最も多く、次いで「衣類」が6093件(同21.4%、同33.0%増)、「靴類」が3170件(同11.1%、同▲20.2%)、スマートフォンケースなどの「携帯電話及び付属品」が2385件(同8.4%、同▲34.4%)だった。

 また、品目別の輸入差止点数の実績は、「医薬品」が31万9716点(構成比34.4%、前年比1701.7%増)と大幅に増加し、次いで、身体用マッサージ器具などの「家庭用雑貨」が7万4534点(同8.0%、同154.2%増)と2.5倍に増加し、イヤホンなどの「電気製品」が6万8795点(同7.4%、同▲41.2%)、「バッグ類」が6万5769点(同7.1%、同82.3%増)と続いている。

 この件の詳細は↓

https://www.mof.go.jp/customs_tariff/trade/safe_society/chiteki/cy2018/20190308a.htm