米中貿易摩擦、中小企業の約3割に「マイナスの影響」

 日本政策公庫がこのほど発表した「米中貿易摩擦の中小企業への影響に関する調査」結果(有効回答数613社)によると、米中貿易摩擦による業況への影響は、プラスの影響が「大いにある」と回答した企業割合は0.9%、「少しある」は3.9%となった。最終需要分野別に「プラスの影響あり」の割合をみると、「乗用車関連」が9.4%と最も高く、次いで「食生活関連」(6.3%)、「電機・電子関連」(6.1%)の順となっている。

 一方、マイナスの影響については、「大いにある」と回答した企業割合は8.1%、「少しある」は20.0%となり、「マイナスの影響がある」と回答した中小企業は約3割となった。最終需要分野別に「影響あり」の割合をみると、「電機・電子関連」が39.5%と最も高く、次いで「乗用車関連」(37.5%)、「設備投資関連」(37.4%)の順となっている。対して「建設関連」(8.9%)はマイナスの影響が最も少ない。

 また、米国及び中国への製品・サービスの供給状況別に企業を分類した上で、プラスの「影響あり」をみると、「中国に供給している」が 11.8%と最も高く、次いで「どちらにも供給している」(8.2%)、「米国に供給している」(6.3%)の順。マイナスの「影響あり」をみると、「中国に供給している」が45.9%と最も高く、次いで「わからない」(45.7%)、「どちらにも供給している」(45.5%)の順となっている。

 プラスの影響の内容(複数回答)については、「国内取引先からの受注・販売増加(代替需要など)」と回答した企業割合が34.8%と最も高く、次いで「その他」(30.4%)、「海外拠点の受注・販売増加」(21.7%)の順。マイナスの影響の内容(複数回答)では、「国内取引先からの受注・販売減少」と回答した企業割合が51.9%と最も高く、次いで「原材料価格の上昇」(28.8%)、「輸出の減少」(24.4%)の順となった。

 マイナスの影響への対策(複数回答)は、「検討していない」と回答した企業割合が68.2%だったが、検討している企業の中では、「販売価格への転嫁」(9.7%)や「販売先の見直し」(9.7%)の割合が比較的高い。マイナスの影響への対策(複数回答)では、「実施していない」と回答した企業割合が77.1%だが、実施した企業の中では、「販売価格への転嫁」(7.6%)や「仕入先の見直し」(7.6%)の割合が比較的高くなっている。

 同調査結果は↓

https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/tokubetu_190305.pdf