関税法違反、不正薬物の押収量が上半期で1トン超え

 財務省がこのほど公表した2024年上半期の全国の税関における関税法違反事件の取締り状況によると、不正薬物全体の摘発件数は500件(前年同期比4%増)、押収量は約1301キログラム(同▲20%減)と、摘発件数はやや増加したものの、押収量は減少した。不正薬物とは、覚醒剤、大麻、あへん、麻薬(ヘロイン、コカイン、MDMA等)、向精神薬及び指定薬物をいう(錠剤型薬物を除く)。

 覚醒剤の摘発件数は85件(前年同期比▲62%減)、押収量は約814キログラム(同▲47%減)となり、ともに減少した。密輸形態別にみると、「航空機旅客」が157件(同18%増)、約299キログラム(同54%増)、「国際郵便物」が272件(同11%増)、約179キログラム(同27%増)、「船員等」が10件(同10倍)、約193キログラム(同ほぼ全増)となり、前年同期と比較して増加した。

 大麻の摘発件数は157件(前年同期比約2.8倍)、押収量は約149キログラム(同約13.1倍)と共に大幅に増加。大麻のうち、大麻草の摘発件数は96件(前年同期比約2.5倍)、押収量は約103キログラム(同約14.3倍)と共に大幅に増加。大麻樹脂等(大麻樹脂のほか、大麻リキッド・大麻菓子等の大麻製品を含む)は、摘発件数が61件(同3.6倍)、押収量は約46キログラム(同11.0)と共に大幅に増加した。

 麻薬(ヘロイン、コカイン、MDMA等)の摘発件数は178件(前年同期比1.8倍)、押収量は約329キログラム(同約3.7倍)とともに増加。このうち、コカインの摘発件数は30件(同▲14%減)と減少したが、押収量は約235キログラム(同約6.2倍)と増加。MDMA等の摘発件数は49件(同63%増)、押収量は79キログラム(同約2.1倍)、約3万6千錠(同9%増)とともに増加した。

 金地金の密輸入事犯の摘発件数は228件(前年同期比81%増)、押収量は約937キログラム(同約8.1倍)と、摘発件数・押収量ともに大幅に増加した。金地金の密輸形態別摘発実績をみると、「航空貨物」を利用した密輸が209件(同74%増)、押収量が約272キログラム(同約2.8倍)、また、仕出地別摘発実績では、「香港」が144件、押収量が約812キログラムと、それぞれがほとんどを占めている。

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https://www.mof.go.jp/policy/customs_tariff/trade/safe_society/mitsuyu/cy2024_1/index.htm