8月公表までの「雇用調整助成金」不正受給は1371件

 東京商工リサーチが発表した「雇用調整助成金の不正受給企業調査」結果によると、全国の労働局が8月31日までに公表した「雇用調整助成金」(雇調金)等の不正受給件数が、2020年4月から累計1371件に達したことが分かった。不正受給総額は445億7472万円にのぼる。前回調査(2024年6月30日公表分)から2ヵ月で107件増加した。1~8月累計は452件で、前年同期を9件上回り、不正受給の公表件数は高止まりしている。

 2024年7月は60件で2ヵ月ぶりに60件台に乗せた。2024年1~8月の累計は452件、月平均56.5件で、前年同期の累計443件を上回っている。不正受給の内訳は、「雇調金」だけの受給が790件と約6割(構成比57.6%)を占めた。また、パートタイマー等の雇用保険被保険者ではない従業員の休業に支給される「緊急雇用安定助成金」のみが186件(同13.5%)、両方の受給は395件(同28.8%)だった。

 地区別では、「関東」が512件(構成比37.3%)で最も多い。次いで、「中部」269件、「近畿」243件、「九州」113件、「中国」95件、「東北」56件、「四国」43件、「北陸」25件、「北海道」15件の順だった。前回調査(2024年7月発表)からの増加率は、「九州」が10.7%増(102件から113件)で最も高く、「東北」と「中部」が9.8%増で続く。一方、「北海道」は5月以降、4ヵ月連続で公表がない。

 都道府県別で最も多かったのは「愛知県」の181件だった。前回調査(159件)から22件増え、2位の東京都(166件)との差を広げた。次いで、「大阪府」161件、「神奈川県」110件が続き、4都府県が100件を超えた。このほか、「千葉県」61件、「広島県」60件、「福岡県」52件、「栃木県」51件、「埼玉県」41件、「三重県」38件、「京都府」31件、「新潟県」29件、「宮城県」27件の順だった。

 産業別でみると、最多は「サービス業他」の465社(構成比45.0%)。次いで、「建設業」131社(同12.6%)、「製造業」120社(同11.6%)の3産業が100社を超えた。以下、「卸売業」71社、「小売業」70社、「運輸業」66社が続く。細分化した業種別は、最多が「飲食業」の143社(同13.8%)。次いで、「建設業」が131社、人材派遣や業務請負など「他のサービス業」が101社で続き、上位3業種で100社を超えた。

 同調査結果は

https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1198925_1527.html