NISAの買付額、6月末時点で約10兆円に増加

 金融庁が公表した「NISA口座の利用状況調査」結果によると、2024年6月末時点で2024年の利用枠においてNISAの買付額が3月末時点から3ヵ月で64.0%増加の約10兆1341億円になり、NISA口座数の累計は同4.5%増の2428万6789口座にのぼったことが明らかになった。この伸びの背景には、今年1月から始まった新NISA制度をきっかけに、預貯金を投資に振り向ける動きが広がってきたことがある。

 新制度は、制度を恒久化するとともに、運用益の非課税投資期間も無期限となった。NISAの年間の投資枠を、投資信託を毎月積み立てる「つみたて型」については改正前の40万円の3倍の120万円に、また、国内外の上場株に幅広く投資できる一般NISAの機能を引き継いだ「成長投資枠」は同120万円の2倍の240万円にそれぞれ拡大された。合計で年360万円の投資枠を設け、貯蓄から投資の流れを促す。

 金融庁によると、6月末時点の新NISAの買付額は、「成長投資枠」が3月末から54.2%増の約7兆9163億円、「つみたて投資枠」が同112.5%増の約2兆2178億円の合計約10兆1341億円だった。商品別の買付額の割合は、「投資信託」が60.5%、「上場株式」が36.1%だった。また、年代別にみると、「50歳代」が20.9%で最も高く、「40歳代」が20.1%、「60歳代」が18.7%のほか、「30歳代」も16.4%と幅広い年齢層に買い付けられている。

 「成長投資枠」の商品買付額の割合をみると、「投資信託」が49.5%と「上場株式」(46.2%)をわずかに上回る。年代別では、「50歳代」(20.7%)、「60歳代」(20.6%)、「40歳代」(18.7%)「70歳代」(15.7%)の順。また、「つみたて投資枠」の商品買付額別では、「投資投信」が99.50%とほとんどを占める。年代別では、「40歳代」(25.2%)、「30歳代」(25.0%)、「50歳代」(21.4%)、「60歳代」(12.0%)の順だった。

 「NISA口座の利用状況調査」結果は

https://www.fsa.go.jp/policy/nisa/20240917/2406.xlsx