8月の企業倒産746件、8月としては過去10年で最多

 帝国データバンクが発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、8月の倒産件数は746件で、前年同月比は0.5%増の微増だったが、28ヵ月連続で前年同月を上回り、2000年以降で最長となった。8月としては、前年(742件)を超え、過去10年で最多となった。前月比では▲18.9%減。地域別では、9地域中、『関東』や『中部』など5地域で前年同月を上回った。

 一方、負債総額は927億5900万円(前月7769億3100万円、前年同月995億100万円)となり、前月比では▲88.1%の大幅減少、前年同月比でも▲6.8%減とともに減少し、2ヵ月ぶりに前年同月を下回った。7月の負債トップは、鋼船製造・修理を行っていた(株)クレサービス(旧:(株)神田造船所、広島県、特別清算)の109億4700万円だった。

 業種別にみると、7業種中3業種で前年同月を上回った。『サービス業』(前年同月187件→197件、5.3%増)が最多、『小売業』(同148件→169件、14.2%増)、『建設業』(同148件→122件、▲17.6%減)が続いた。『小売業』は、2022年9月(108件)以降、24ヵ月連続で前年同月を上回った。『運輸・通信業』(同31件→28件、▲9.7%減)は、2ヵ月連続で前年同月を下回った。

 負債規模別にみると、「5000万円未満」の倒産が473件(前年同月433件、9.2%増)で最も多く、全体の63.4%を占め、過去3年で最高の構成比となった。次いで「1億円以上5億円未満」が156件(同156件)で続いた。「5000万円以上1億円未満」は88件(同▲22.1%減)となり、約3年ぶりに減少率が20%を上回った。資本金規模別では、『個人+1000万円未満』の倒産が529件(同491件、7.7%増)となり、全体の70.9%を占めた。

 地域別にみると、9地域中5地域で前年同月を上回った。最も件数が多かったのは、『関東』(前年同月294件→279件、▲5.1%減)だったが、19ヵ月ぶりに前年同月を下回った。このうち、「栃木」(同4件→12件)と「神奈川」(同50件→56件)の2県は増加。『中部』(同79件→100件、26.6%増)は、「三重」(同8件→15件)が増加した。最も増加率が高かったのは『四国』(同12件→18件、50.0%増)で、5ヵ月ぶりに50%を超えた。

 同倒産状況の概要は

https://www.tdb.co.jp/tosan/syukei/2408.html