厚生労働省が26日に公表した2023年の簡易生命表によると、男性の平均寿命は81.09歳(前年比+0.04年)、女性の平均寿命は87.14歳(同+0.05年)となり、男女ともに3年ぶりに前年を上回った。簡易生命表は、1年間の死亡状況が今後変化しないと仮定したときに、各年齢の人が1年以内に死亡する確率や、平均してあと何年生きられるかとの期待値などを、死亡率や平均余命などの指標によって表したもの。
0歳の平均余命である「平均寿命」は、全ての年齢の死亡状況を集約したものとなっており、保健福祉水準を総合的に示す指標。平均寿命の前年との差を死因別に分解すると、男女とも悪性新生物<腫瘍>、新型コロナ感染症(COVID-19)などの死亡率の変化が平均寿命を延ばす方向に働いている。一方、男女とも老衰などの死亡率の変化が平均寿命を縮める方向に働いている。
男女それぞれ10万人の出生に対して65歳の生存数は、男8万9524人、女9万4371人。これは65歳までの生存者の割合が男は89.5%、女は94.4%であることを示している。同様に、75歳までの割合は男75.3%、女87.9%、90歳までの割合は男26.0%、女50.1%となる。また、生命表上で、出生者の半数が生存すると期待される寿命中位数は、男83.99年、女90.02年で、男は2.90年、女は2.88年平均寿命を上回っている。
なお、平均寿命の諸外国との比較は、国により作成基礎期間や作成方法が異なるため、厳密な比較は困難だが、現在入手している資料を用いて比較すると、男性は、「スイス」が82.3歳でトップ、2位は「スウェーデン」(81.58歳)、前回4位の「日本」(81.09歳)は1つ順位を落として5位となった。女性は、「日本」(87.14歳)が1位を維持し、次いで「スイス」(85.9歳)、「フランス」(85.75歳)が続いている。
2023年完全生命表の概況は
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life23/dl/life23-15.pdf