新入社員、5割近くが「年功序列制を望む」~産能大

 産業能率大学総合研究所が発表した「2024年度新入社員の会社生活調査」結果(有効回答数563人)によると、「年功序列」と「成果主義」のどちらを望むかについては、「成果主義」の51.5%に対し、「年功序列」は48.5%で過去最高となった。「いつまで勤めたいか」では、「65歳(再雇用定年年齢)」が32.7%で過去最高、「60歳(定年年齢)」は32.1%。「終身雇用制度」については「望む」が68.2%で、21年度以降、増加傾向にある。

 雇用制度の「ジョブ型」と「メンバーシップ型」については、「望む」が各25.6%、25.8%で回答は拮抗した。35歳時点での理想の年収額は、「600~700万円未満」が最多の19.4%。これに次ぐのが「700~800万円未満」で17.2%、「500~600万円未満」が16.7%。これらの加重平均値は、コロナ禍の2021年度の約559万円を底に上昇傾向にあり、昨年度には約727万円、本年度はさらに29万6518円増えた757万160円と過去最高となった。

 近年、導入する企業が増えてきた“副業制度”の利用意向については、「利用したい」が37.3%で、昨年度(40.8%)から3.5ポイント下がっている。この「利用したい」と「どちらかといえば利用したい」の41.0%を合わせると、副業制度を“利用したい”意向があるのは計78.3%となった。調査開始の2018年度から上昇傾向にあったものの、2022年度から2年連続で減少している。

 仕事でストレスを感じる状況(複数回答)では、「仕事のミスや目標達成が難しく、自分の能力不足を感じるとき」が67.3%、「上司や同僚、顧客との関係でトラブルがあり、人間関係が原因で悩むとき」が52.8%と半数を超え、仕事がうまくいかないときなどの「能力不足」や「人間関係」にストレスを感じることが分かる。さらに「仕事量の多さや難易度の高い任務に直面し、自分一人では対応できないと感じるとき」が36.1%と続く。

 働くうえで上司や先輩に期待すること(複数回答)では、「実践前にやり方や手順などを細かく教えてくれること」が62.8%で最も多く、次いで「誰に対しても平等に接してくれること」(57.2%)、「良い仕事ぶりに対して誉めてくれること」(54.7%)、「率直かつ建設的なフィードバックを提供してくれること」(52.0%)、「相手の主張を尊重してくれること」(37.5%)が続いた。

 同調査結果は

https://www.hj.sanno.ac.jp/cp/research-report/files/2024_Company-life-survey.pdf