上半期の企業倒産件数4887件、2014年以降で最多

 帝国データバンクがこのほど発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、2024年上半期の倒産件数は4887件で、前年同期比は22.0%増となり、2年連続で前年同期を上回った。2014年上半期(4756件)以降で最多となった。地域別にみると、上半期としては2年連続で全9地域が前年を上回った。このうち、『北海道』、『中部』、『四国』を除く6地域で上半期としては過去10年で最多となった。

 一方、負債総額は6810億1500万円(前年同期9065億8400万円)となり、前年同期比では▲24.9%の減少となり、2年連続で前年同期を下回った。負債規模別では、「5000万円未満」の倒産が2898件で、全体の約60割(59.8%)を占め、負債額が小規模な中小零細企業の倒産が目立った。上半期の負債トップは、その他の事業サービスのシニアコネクテッドテクノロジーズ(株)(破産、神奈川県)の279億円だった。

 業種別にみると、7業種中6業種で前年同期を上回った。『サービス業』(前年同期958件→1228件、28.2%増)が最も多く、『小売業』(同834件→1029件、23.4%増)、『建設業』(同795件→917件、15.3%増)が続いた。『サービス業』は上半期としては2009年(1234件)以来15年ぶりに1200件を超え、過去2番目の水準となった。『サービス業』では、「医療業」(同64件→100件)が2000年以降で初の100件超となった。

 負債規模別にみると、「5000万円未満」の倒産が2898件(前年同期2307件、25.6%増)で最も多く、全体の59.8%を占めた。次いで「1億円以上5億円未満」が1009件(同823件、22.6%増)発生し、上半期としては2014年(1102件)以来10年ぶりに1000件を超えた。資本金規模別では、『個人+1000万円未満』の倒産が3464件(同2720件、27.4%増)となり、全体の70.9%を占めた。

 地域別にみると、上半期としては2年連続で全9地域が前年同期を上回った。このうち、『北海道』、」『中部』、『四国』を除く6地域で上半期としては過去10年で最多となった。『関東』(前年同期1433件→1732件、20.9%増)は、10年ぶりに1700件台となり、特に「東京」(同713件→908件)が全体の件数を押し上げた。『東北』(同212件→291件、37.3%増)は、東日本大震災直後の2011年(246件)を超え、3年連続で前年同期を上回った。

 同倒産状況の概要は

https://www.tdb.co.jp/tosan/syukei/pdf/2406.pdf