24年度決定初任給、引上げ企業は過去最高の75.6%

 2024年度の決定初任給(2024年4月に確定した初任給)の水準は、「大学卒(一律)」で22万5457円、「高校卒(同)」で18万8168円だったことが、産労総合研究所が上場企業等を対象に実施した「2024年度決定初任給調査」結果(有効回答数369社)で分かった。2023年度と比べた初任給額の増加率は全学歴で、1992年度以来32年ぶりに3%を超えた。初任給を「引き上げた」企業は、前回2022年度調査比7.5ポイント増の75.6%だった。

 初任給を引き上げた企業は、1997年度調査以降で最も高く、27年ぶりに7割を超えた。一方、「据え置いた」企業は16.5%(前年度28.9%)。「引き下げた」企業は前回調査に続きなかった。初任給を引き上げた理由(複数回答)は、「人材を確保するため」が前回調査と比べ3.3ポイント増の73.5%で最多、次いで「在籍者のベースアップがあったため」が同5.6ポイント減の43.4%などとなっている。

 産業別に「人材を確保するため」をみると、製造業は前回調査に比べて3.3ポイント増の79.8%、非製造業も同5.1ポイント増の69.7%とともに増加。他方、「据え置いた」理由(複数回答)は、「現在の水準でも十分採用できるため」が同14.4ポイント減、「在籍者のベースアップがなかったため」が同7.7ポイント減で、ともに27.9%で最多となった。一方、「新卒を採用しなかったため」は同11.8ポイント増の26.2%だった。

 2022年度の初任給額をみると、職種やコースによる格差がなく、一律に初任給を決定している企業の場合、「大学卒」は22万5457円(前年度比3.85%増)、「高校卒」は18万8168円(同4.58%増)だった。規模別にみると、大学卒は「1000人以上」24万1082円、「300~999人」22万9423円、「299人以下」21万8118円、高校卒は「1000人以上」19万2686円、「300~999人」19万2392円、「299人以下」18万3698円となっている。

 4月入社の新卒入社者の場合、入社年度の夏季賞与の支給日には在籍しているものの、算定期間としてはわずかか、あるいは算定期間を過ぎた後の入社という場合が多いが、その中で、何らかの形で夏季賞与を「支給する」企業は77.5%、「支給しない」企業は12.2%。支給額の平均をみると、「大学卒」9万4112円、「高校卒」7万5076円だった。なお、夏季賞与の支給方法は、「一定額(寸志等)を支給」が65.7%と6割以上となっている。

 同調査結果は

https://www.e-sanro.net/share/pdf/research/pr_2407.pdf