6月の企業倒産件数807件、26ヵ月連続前年同月比増

 帝国データバンクがこのほど発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、6月の倒産件数は807件で、前年同月比は3.2%増となり、26ヵ月連続で前年同月を上回った。6月としてはコロナ禍初期に倒産件数が急増した2020年の806件を上回り、過去10年で最多となった。前月比では▲20.6%減。地域別では、9地域中、「関東」や「近畿」など5地域で前年同月を上回った。

 一方、負債総額は1079億1800万円(前月1260億9700万円、前年同月1232億800万円)となり、前月比では▲14.4%、前年同月比でも▲12.4%の減少となり、4ヵ月連続で前年同月を下回った。負債規模別では、「5000万円未満」が491件で、60.8%を占め、中小零細企業の倒産が目立った。6月の負債トップは、持ち株会社の(株)カイロス(特別清算、東京都)の81億8200万円だった。

 業種別にみると、7業種中3業種で前年同月を上回った。『サービス業』(前年同月180件→214件、18.9%増)が最も多く、『小売業』(同163件→171件、4.9%増)、『建設業』(同160件→148件、7.5%減)が続いた。『サービス業』は、2000年以降で初めて4ヵ月連続で200件を上回った。増加率でみると、『製造業』(同75件→90件、20.0%増)が最も高かった。『建設業』では、「総合工事」(同44件→63件)が大きく増加した。

 負債規模別にみると、「5000万円未満」の倒産が491件(前年同月435件、12.9%増)で最も多く、全体の60.8%を占めた。次いで「1億円以上5億円未満」が166件(同181件、▲8.3%)で続き、中小零細規模の倒産が目立った。資本金規模別では、『個人+1000万円未満』の倒産が585件(同536件、9.1%増)となり、全体の72.5%を占めた。構成比としては、2021年11月(72.6%)に次いで過去2番目の規模となった。

 地域別にみると、9地域中5地域で前年同月を上回った。最も件数が多かったのは、『関東』(前年同月258件→274件、6.2%増)。「神奈川」(同31件→42件)が大幅に増加した。このほか、『近畿』(同204件→212件、3.9%増)は、「大阪」(同102件→119件)の増加が目立った。一方、「静岡」(同21件→11件)が大きく減少したことで、『中部』(同111件→99件、10.8%減)は前年同月を下回った。

 同倒産状況の概要は

https://www.tdb.co.jp/tosan/syukei/pdf/2406.pdf