24年上半期中小企業向け貸出DI、3期連続プラス

 日本政策金融公庫が267金融機関を対象に4月に実施した「信用保証に関する金融機関アンケート調査」結果(有効回答数253機関)によると、2024年上半期の中小企業向け貸出DI(「増加」-「減少」割合)は2.4(2023年下半期2.6)となり、ほぼ横ばい、3期連続でプラスとなった。次期2024年下半期は2.6とほぼ横ばいの見込み。資金使途別にみると、短期運転資金及び長期運転資金は横ばい、設備資金はやや上昇した。

 信用保証付貸出DI(「増加」-「減少」割合)は、2023年下半期の▲4.0から▲5.6へとやや低下し、2期連続でマイナスとなった。次期は▲6.6と更に低下する見込み。信用保証付貸出における条件変更DIは、15.0から18.8へと低下したものの、9期連続でプラスとなった。次期は16.0と更に低下する見込み。代位弁済DIは31.1から26.2へと、やや低下したものの、10期連続でプラス。次期は23.0と更に低下する見込み。

 アフターコロナにおける信用保証付貸出の取組み等について、今後の中小企業向け貸出の取組方針については、「信用保証付貸出を重視」と回答した割合が70.9%となっており、金融機関業態別にみると、協同組織金融機関では約8割となっている。信用保証付貸出を重視する理由(3つまで回答)については、「小規模企業が多いため」(60.1%)が最も多く、次いで「取引先の業況が依然厳しいため」(59.0%)となっている。

 プロパー貸出を重視する理由(3つまで回答)については、「事業性評価による貸出を進めるため」(59.2%)が最も多く、次いで「自機関の収益性を確保するため」(42.3%)となっている。また、経営課題の早期把握・対応を行うことが多い信用保証付貸出先(複数回答)については、「決算書等により売上や利益の悪化を把握した企業」(65.6%)が最も多く、次いで「コロナ禍前から業況不芳が続いている企業」(61.7%)となっている。

 経営課題の早期把握・対応を行うことが多い信用保証付貸出先への対応について、各金融機関の特徴的な取組みは、「銀行」では、「審査部内に専担チームを設立し、地域インフラかつ大口融資企業が多い業種について経営改善指導を行う等、重点的にフォローしている」や、「経営支援ターゲット先を定め、プッシュ型の経営支援をコンサルティング契約を締結して伴走支援形式にて実行中」などが挙げられている。

 また、「協同組織金融機関」では、「信用保証付にかかわらず、全貸出先に対する実権者との対面対話を最優先に活動。その中で個々企業における実情を適切に把握したうえで、本部関連部と連携し、経営課題解決に向け取組んでいる。重点施策は事業承継、先導的人材マッチング、販路開拓」や、「信用保証協会の専門家派遣事業等の活用により、経営改善支援や本業支援について取組んでいる」などが挙げられている。

 同調査結果は

https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/shiyohosyo240626_1.pdf