価格交渉が行われた割合59.4%、価格転嫁率46.1%

 中小企業庁では、毎年3月と9月の「価格交渉促進月間」に合わせ、受注企業が、発注企業にどの程度価格交渉・価格転嫁できたかを把握するための調査を実施している。2024年3月時点の調査結果(有効回答数4万6461社)、(1)価格交渉が行われた割合は59.4%で、価格交渉できる雰囲気が更に醸成されつつあり、(2)価格転嫁率は46.1%で、コストの増額分を全額価格転嫁できた企業の割合が増加したことが明らかになった。

 「発注企業から交渉の申入れがあり、価格交渉が⾏われた」割合は18.4%で、昨年9⽉(14.3%)からさらに増加。発注企業との価格交渉が行われた割合も、58.5%から59.4%に微増。 発注企業からの交渉申入れも浸透し始め、価格交渉できる雰囲気が更に醸成されつつある。⼀⽅で、「価格交渉を希望も、交渉が⾏われなかった」割合が増加(7.8%→10.3%)しており、引き続き、労務費指針の徹底等による価格交渉の機運醸成が必要とした。

 コスト全体の価格転嫁率は46.1%で、昨年9⽉(45.7%)から微増。受注企業のうち、コスト増加分を「全額(10割)価格転嫁できた」割合は19.6%と約3ポイント増加。「⼀部でも価格転嫁できた」割合は、約4ポイント増加の67.2%。⼀⽅、「1~3割しか価格転嫁できなかった」割合は約4ポイント増加の23.4%。「全く転嫁できず/減額された」企業も約2割あり、「転嫁できた企業」と「出来ない企業」で2極化の兆しもある。

 今回調査では、昨年11⽉に「労務費の指針」が策定・公表されたことを踏まえ、「労務費について、価格交渉できたか」を調査。価格交渉が⾏われた企業(59.5%)のうち、その約7割(68.9%)において、労務費についても価格交渉が実施された。⼀⽅で、約1割(8.8%)の企業が、「労務費が上昇し、価格交渉を必要と考えたが出来なかった」と回答。引き続き、公正取引委員会等と連携し、「労務費の指針」を周知・徹底していく方針だ。

 また、正当な理由のない原価低減要請等により価格転嫁できず、結果、代⾦が減額となったケースを選択肢に追加したが、この選択肢を、アンケート回答企業のうち、1.2%(約800社)が選択した。発注企業の業種別にみると、全体平均(1.2%)を上回った業種は、「建設」(1.7%)、「繊維」(1.6%)、「⾃動⾞・⾃動⾞部品」(1.4%)、「⽯油製品・⽯炭製品製造」(1.3%)、「機械製造」(1.2%)などだった。

 同調査結果は

https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/follow-up/index.html