帝国データバンクがこのほど発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、4月の倒産件数は760件で、前年同月比は24.6%増となり、24ヵ月連続で前年同月を上回った。前月比では▲12.6%と3ヵ月ぶりに前月を下回ったが、前年同月より150件多く、4月としては4年ぶりに700件超えとなった。業種別では、7業種中6業種で前年同月を上回り、『サービス業』が208件で最多だった。
一方、負債総額は946億円(前月1320億500万円、前年同月2088億700万円)となり、前月比では▲28.3%、前年同月比でも▲54.7%の大幅減少となり、2ヵ月連続で前年同月を下回った。負債規模別では、「5000万円未満」が最多、50億円以上が3ヵ月ぶりに発生しなかった。4月の負債トップは、土木工事・産業廃棄物運搬などを行っていた(有)川越建材興業(破産、三重県)の36億円だった。
業種別にみると、7業種中6業種で前年同月を上回った。『サービス業』(前年同月比43.4%増)が最も多く、『小売業』(同18.2%増)、『建設業』(同1.5%増)が続いた。増加率でみると、『運輸・通信業』(同56.0%増)が最も高く、5ヵ月ぶりに前年同月から50%を超える大幅増となった。『小売業』では「飲食料品小売」、『製造業』では「食料品・飼料・飲料製造」など、食品関連業で大幅に増加した。
負債規模別にみると、「5000万円未満」の倒産が437件(前年同月334件、30.8%増)で最も多く、全体の57.5%を占めた。次いで「5億円未満」が166件(同131件、26.7%増)で続いた。中小零細規模の倒産が目立つ一方、50億円以上の倒産は3ヵ月ぶりに発生しなかった。資本金規模別では、『個人+1000万円未満』の倒産が521件(同397件、31.2%増)となり、全体の68.6%を占めた。
地域別にみると、9地域中7地域で前年同月を上回った。最も増加率が高かったのは『中国』(前年同月25件→38件、52.0%増)で、16ヵ月連続で前年同月を上回った。増加率では『東北』(同27件→40件、48.1%増)が続き、「宮城」(同8件→15件)の増加が目立った。件数別では、『関東』(同245件→290件、18.4%増)がトップ。「埼玉」(19件→44件)は2ヵ月連続で前年同月を上回った。
同倒産状況の概要は