食品産業の景況DIが8年ぶりに全業種プラスに

 日本政策金融公庫が発表した「食品産業動向調査(2024年1月調査)」結果(有効回答数2137社)によると、2023年下半期(7~12 月)の食品産業の景況DIは、前回調査(2023年上半期)から5.8ポイント上昇し13.2となった。景況DIは、売上高DI、経常利益DI、資金繰りDIを単純平均して算出し、前年同期と比べた景況(今回調査では2022年7~12月比)および景況見通し(今回調査は2023年1~6月比)を表している。

 経常利益DIは前回調査から12.7ポイント上昇し8.4となり、2016年上半期以来、7年半ぶりにプラス値となった。業種別景況DIは、すべての業種で前回調査から上昇し、プラス値となった。すべての業種でプラス値となったのは、2015年下半期以来、8年ぶり。「製造業」(11.0)、「卸売業」(13.5)、「飲食業」(45.7)は、1997年の調査開始以来、最高値となった。

 2023年下半期(7~12 月)の食品産業の仕入価格DIは、前回調査から4.3 ポイント低下し80.9となった。販売価格DI(63.6)、販売数量DI(2.6)は、それぞれ1.0ポイント未満の低下で、横ばい推移となった。設備投資DIは14.1となり、1月時点の当初見通しは、1997年の調査開始以来、最高値となった。2024年上半期の仕入価格DIは61.1、販売価格DIは38.6、販売数量DIは1.8となる見通し。

 今後の経営発展に向けて取り組みたい課題(3つまで回答)は、製造業、小売業、飲食業では、「人材確保」、「人材育成」、「商品・生産物の見直し・開発」の回答割合が、卸売業では「人材確保」、「人材育成」、「原料・商品の安定調達」の回答割合が高い。また、仕入れ・調達の段階で取り組んでいるリスク対策は、「事前契約により原材料などを確保」(40.0%)、「主要な仕入れ・調達先から代替可能な仕入れ・調達先を確保」(33.8%)の順。

 業種別にみると、製造業は「事前契約により原材料などを確保」(45.0%)、卸売業は「仕入れ・調達先の地域を分散」(38.1%)、小売業は「主要な仕入れ・調達先から代替可能な仕入れ・調達先を確保」(38.1%)、飲食業は「事前契約により原材料などを確保」(43.8%)、「主要な仕入れ・調達先から代替可能な仕入れ・調達先を確保」(43.8%)の回答割合がそれぞれ最も高くなっている。

 同調査結果は

https://www.jfc.go.jp/n/release/pdf/topics_240307b.pdf