「年収の壁対策」で「働き方の変化」は約2割に影響

 エン・ジャパンが、運営する“派遣型のアルバイト”を集めた求人サイト『エンバイト』上で、サイト利用者を対象に実施した「年収の壁に関するアンケート調査」結果(有効回答数1019人)によると、「年収の壁(103万円の壁、130万円の壁など)」についての認知度は、「知っていて、説明できる」は31%、「説明できないが、聞いたことはある」は58%、「知らない」は11%だった。

 「知っていて、説明できる」、「説明できないが、聞いたことはある」との回答者が、年収の壁によって困った経験の有無は、「ある」は42%(「ある」18%、「どちらかと言えばある」24%)。年代別でみると、30代が46%で最も高い結果になった。年収の壁による困りごと(複数回答)は、トップが「もっと働きたいのに働けない」(63%)、次いで「就業時間の管理・調整が大変」(51%)、「収入が少ない」(42%)が続いた。

 2023年10月から政府が開始した“年収の壁対策”(年収130万円を超えても連続2年までなら扶養にとどまれるようにする方針)についての認知度は、「知っていて、説明できる」は12%、「説明できないが、聞いたことはある」は46%、「知らない」は42%。年代別でみると、年代が上がるほど「知っていて、説明できる」の回答割合が上がることが分かった(「20代以下」8%、「30代」9%、「40代」13%、「50代以上」17%)。

 年収の壁対策について「知っていて、説明できる」、「説明できないが、聞いたことはある」との回答者の現在と今後の働き方の変化は、働き方を「変えた」は4%、「これから変える予定」は15%で、約2割に影響を与えていることが分かった。働き方をどのように変えた/変える予定かについては、「現在の勤務先のままで、勤務時間を増やす」が38%で最多、次いで「雇用形態はそのままで、より時給の高い勤務先に変える」(32%)が続いた。

 なお、「年収の壁」とは、世帯主の扶養範囲で働くパート・アルバイト労働者の年収基準のこと。「年収の壁」には「106万円」、「130万円」などいくつかのラインがある。年収が一定額を超えると、世帯主の扶養範囲から外れ、社会保険料などの負担が発生し、手取りが減少することがある。そのため、年収が扶養範囲を超えないように気をつけながら働くという労働者もいることから、「年収の壁」と呼ばれている。

 同調査結果は

https://corp.en-japan.com/newsrelease/2024/35875.html