博報堂のシンクタンクである博報堂買物研究所が発表した「値上げ・物価高騰に関する生活者調査」結果(有効回答数2万3878人)によると、多くの商品項目において生活者が「値上げを実感」しており、「食品・飲料」カテゴリーでは6つの商品項目において8割以上、「トイレタリー」カテゴリーと「健康食品/栄養補助・機能性表示食品/トクホ」ではそれぞれ6割以上の生活者が「値上げを実感」と回答した。
特に値上げの実感が大きかった「食品・飲料」カテゴリーの購入において「節約を意識する」生活者はすべての商品項目で8割を超え、特に「インスタント食品」、「清涼飲料水/ミネラルウォーター」、「冷凍調理品」では9割を超える結果となった。「節約を意識する」人の節約行動(複数回答)では、「特売・セールで購入」(35.5%)、「できるだけ安い商品を買う」(29.5%)の2つの回答が多く、「商品の買い控え」は12.6%にとどまった。
「食品・飲料」カテゴリーにおいて値上げ前(2020年)と2023年を比較したとき、「節約意識が高い」人は、「節約意識が低い」人よりも「清涼飲料水/ミネラルウォーター」、「冷凍調理品」、「メニュー専用調味料/料理の素」の購入金額が低く、一方で、「食品・飲料」カテゴリーのその他の商品項目では「節約意識が低い」人よりも購入金額が高く、「食品・飲料」カテゴリーにおける年間支出は大きい傾向にあったことがわかった。
「お菓子・スイーツ」、「アルコール飲料」といった嗜好性が高い商品項目に注目してみると、「節約意識が高い」人のほうがいずれの商品項目においても「安価な商品を買う」という節約行動をとっているにもかかわらず、年間購入金額が上昇している。この背景には、「家族構成などにより購入頻度や購入量の調整が難しく購入金額が高くなってしまう人ほど、節約意識が高くなる」といった生活者のジレンマも推察される結果となった。
また、2023年12月は他の月と比較し、多くの商品項目で購入金額が増加した。嗜好性の高い「お菓子・スイーツ」や「アルコール飲料」においては、「お菓子・スイーツ」が約350円増加、「アルコール飲料」が約470円増加するなど特に金額の増加が多く、また、「お菓子・スイーツ」では「節約意識の高い」人のほうが「節約意識の低い」人よりも高価格帯商品の100人あたり購入金額増加率が高い傾向にあったことがわかった。
同調査結果は
https://www.hakuhodo.co.jp/uploads/2024/01/202402011000-2.pdf