日本政策金融公庫は昨年11月に全国の18歳~69歳の男女を対象に「2023年度起業と起業意識に関する調査」を実施した。同調査では、事業に充てる時間が1週間に35時間以上を「起業家」、35時間未満を「パートタイム起業家」と分類している。調査結果(有効回答数2575人)によると、起業家は「29歳以下の割合」が高く、パートタイム起業家は「女性の割合」がかなり高いことが明らかになった。
年齢(起業家、パートタイム起業家は起業時の年齢)を類型別にみると、起業家、パートタイム起業家「29歳以下」の割合(順に36.0%、38.4%)が最も高い。起業無関心層は、ほかの類型と比べて「60歳代」(21.4%)の割合が10ポイント以上高い。性別をみると、起業家では「男性」が78.6%、「女性」が21.4%、パートタイム起業家では順に61.3%、38.7%となった。起業無関心層では、「女性」(56.6%)が半数を超える。
起業した業種は、「個人向けサービス業」の割合が起業家(21.1%)とパートタイム起業家(21.9%)ともに最も高く、「事業所向けサービス業」(起業家16.5%、パートタイム起業家12.4%)がそれに続き、起業家、パートタイム起業家ともにサービス業が3分の1以上を占めている。組織形態は、「個人企業」の割合が起業家で91.5%、パートタイム起業家で96.8%とともに大半を占める。
起業費用をみると、起業家では「50万円未満」とする割合が36.5%と最も高く、「費用はかからなかった」(30.1%)がそれに続く。パートタイム起業家では「費用はかからなかった」とする割合が52.6%と最も高く、「50万円未満」(35.9%)を合わせると9割近い。起業費用に占める自己資金の割合が「100%(自己資金だけで起業)」である割合は、起業家で71.9%、パートタイム起業家で73.7%にのぼる。
現在の月商が「50万円未満」である割合は、起業家で67.9%、パートタイム起業家で92.8%と大半を占める。現在の採算状況が「黒字基調」である割合は、起業家が69.5%、パートタイム起業家が75.2%と、ともに「赤字基調」の割合を大きく上回っている。現在の業況は、「良い」割合が起業家で17.1%、パートタイム起業家で15.3%、「やや良い」が起業家で43.4%、パートタイム起業家で55.4%となった。
同調査結果は