帝国データバンクが発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、12月の倒産件数は806件で、前年同月比36.1%増と、20ヵ月連続で前年同月を上回り、3ヵ月連続で前年同月より3割以上も多くなった。2023年3月(800件)を上回り、2023年で最多。コロナ支援策の縮小に加え、物価高等によるコスト増もあり、年末にかけて倒産が急増した。また、前月に比べると4.3%増となり、2ヵ月ぶりに増加した。
一方、負債総額は1015億400万円(前月881億5000万円、前年同月687億1400万円)となり、前月比では15.2%増、前年同月比でも47.7%増の大幅増加となり、2ヵ月ぶりに前年同月を上回った。これは、負債50億円未満の倒産が前年同月から倍増したことなどが要因。12月の負債トップは、美容脱毛サロン「銀座カラー」を展開していた(株)エム・シーネットワークスジャパン(破産、東京都)の約58億5700万円だった。
業種別にみると、7業種中6業種で前年同月を上回った。『サービス業』(前年同月135件→220件、63.0%増)が最多、『小売業』(同121件→163件、34.7%増)、『建設業』(同102件→161件、57.8%増)が続いた。『サービス業』は、リーマン・ショック後の2009年6月(242件)、同年7月(227件)に次ぐ過去3番目の高水準。『運輸・通信業』(同41件→49件、19.5%増)も、12月としては2008年12月(52件)に次ぐ2番目の高水準となった。
負債規模別にみると、「5000万円未満」の倒産が505件(前年同月356件、41.9%増)で最も多く、全体の62.7%を占めた。「5億円未満」が155件(同116件、33.6%増)で続いた。中小・零細企業の倒産が目立つ一方、「50億円未満」が18件(同8件、125.0%増)と、前年同月から倍増した。資本金規模別では、『個人+1000万円未満』の倒産が574件(前年同月422件、36.0%増)となり、全体の71.2%を占めた。
地域別にみると、全9地域で前年同月を上回った。最も増加率が高かったのは『北海道』(前年同月16件→32件、100.0%増)で、3ヵ月連続で前年同月を上回ったほか、3月(31件)を上回り2023年で最多。次いで、6月(51件)と並んで2023年で最も多くなった『東北』(同28件→51件、82.1%増)、『中国』(同22件→37件、68.2%増)の順となった。件数別では、『関東』(同219件→270件、23.3%増)がトップだった。
同倒産状況の概要は