2024年の値上げは約4000品目、23年の6割減ペース

 帝国データバンクが発表した「食品主要195社の価格改定動向調査」結果によると、主要な食品メーカー195社における、家庭用を中心とした飲食料品の値上げは、2023年の累計で3万2396品目となった。22年累計の2万5768品目を6628品目・25.7%上回った。年間3万品目を超える水準はバブル崩壊以後の過去30年間でも例を見ない規模となり、総じて「記録的な値上げラッシュの1年」となった。

 2024年の食品値上げは、記録的な値上げラッシュとなった23年に比べて小康状態が続くとみられる。24年1月から5月までに値上げが決定している飲食料品は、オリーブオイルやゴマ製品、ケチャップや冷凍食品、輸入ウイスキーなど累計で3891品目判明。単月で最も多い2月は1609品目と、23年10月以来4ヵ月ぶりに1000品目を超えた。4月(1352品目)とあわせ、24年春まで小~中規模な値上げラッシュが断続的に発生する見通し。

 ただ、2022年12月末時点で判明した翌年(23年)の値上げ予定品目数は9781品目にのぼったのに対し、24年の値上げ品目数は約4割(39.8%)の水準にとどまる。ただ、1回当たりの値上げ率平均は17%となり、22年(14%)及び23年(15%)を上回る高い水準で推移する見込み。オリーブオイルなど輸入製品を中心に、最大50%以上と大幅な価格引上げを行う食品が多いことも、値上げ率が高止まりした要因となっている。

 2024年の値上げで最も多い食品分野は「加工食品」(2137品目)で、全体の約半数を占めた。冷凍食品類のほか、ベビーフード、パスタソースなど多岐にわたるものの、23年からは大幅に減少した。次いで多いのが「調味料」(784 品目)で、トマトケチャップやだし・つゆ製品が中心だった。嗜好性の強い「酒類・飲料」(417 品目)は輸入ウイスキーなどアルコール飲料が中心だった。

 2024年の値上げの傾向として、内容量減による価格維持=「実質値上げ」ではなく、本体価格の引上げが23年に続き多くみられる点が特徴となる。24年の値上げの要因としては食材価格の上昇に加え、包装資材、物流費の上昇が引き続き多くを占めた。ただ、値上げペースは総じて大幅な減速傾向をみせており、24年通年の値上げ品目数は最大で1万~1万5000品目の水準で推移すると予想される。

 同調査結果は

https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p231215.pdf