帝国データバンクが発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、11月の倒産件数は773件で、前年同月比35.6%増と、19ヵ月連続で前年同月を上回り、2ヵ月連続で前年同月より3割以上も多くなった。2023年1~11月の累計件数は7691件となり、11月時点で7500件を超えたのは、2019年以来4年ぶり。また、前月に比べると▲2.2%となり、2ヵ月ぶりに減少した。
一方、負債総額は881億5000万円(前月3055億8400万円、前年同月1286億2700万円)となり、前月比では▲71.2%、前年同月比でも▲31.5%の大幅減少となり、3ヵ月ぶりに前年同月を下回った。これは、負債50億円以上の大型倒産が発生しなかったことなどが要因。11月の負債額トップは、元・ミニチュアミュージアム運営の(株)有明清算(旧:(株)SMALL WORLDS、破産、東京都)の39億円だった。
業種別にみると、7業種中6業種で前年同月を上回った。『サービス業』(前年同月140件→196件、40.0%増)が最も多く、『小売業』(同104件→170件、63.5%増)、『建設業』(同104件→141件、35.6%増)が続いた。『サービス業』は2023年3月(197件)以来8ヵ月ぶり、『小売業』は2020年7月(205件)以来3年4ヵ月ぶりの高水準。増加率で最高だったのは『運輸・通信業』(66.7%増)で、2ヵ月ぶりに前年同月を60%以上も上回った。
負債規模別にみると、「5000万円未満」の倒産が481件(前年同月315件、52.7%増)で最も多く、全体の62.2%を占めた。「50億円未満」が20件(同13件、53.8%増)発生し、4ヵ月連続で前年同月より40%以上も増えた。一方、「50億円以上」の倒産は10ヵ月ぶりに発生しなかった。資本金規模別では、『個人+1000万円未満』の倒産が540件(前年同月391件、38.1%増)となり、全体の69.9%を占めた。
地域別にみると、9地域中8地域で前年同月を上回った。『関東』(前年同月214件→279件、30.4%増)は、「小売業」(同28件→63件)が大幅増となり、全体の件数を押し上げた。『北海道』(同11件→19件、72.7%増)は、最も増加率が高かった。『近畿』(同138件→209件、51.4%増)は、「兵庫」(同28件→59件)が全国で3番目に倒産件数が多かった。『九州』(同48件→66件、37.5%増)は、14ヵ月連続で前年同月を上回った。
同倒産状況の概要は↓