中小企業の4割はコロナ前の売上水準に未だ戻らず

 大阪商工会議所が発表した「資金繰り状況と円安が経営に与える影響に関する調査」結果(有効回答数283社)によると、コロナ禍前の2019年度と比べた今年度売上見込みは、「減少」が4割超(42.8%)となった。昨年度調査の「減少」(62.0%)から改善。資本金別では、1億円超3億円以下の企業では「増加」が半数超え(52.4%)。2019年度比での今年度経常利益見込みは、4割超(43.8%)が「減少」と回答した。

 金融機関からの借入れ状況は、「十分借り入れられている」(54.8%)と「現時点で借入れはなく、当面借り入れる必要もない」(27.9%)を合わせると、8割以上の企業は資金繰りに問題はない。借り入れた資金の使途(複数回答)として、人件費関連資金(「従業員への給与」、「賞与資金(従業員へのボーナス)」、「社会保険料(年金、医療、介護、雇用保険等)の使用者負担分」の合計)は4割超(42.6%)で、昨年度(20.9%)より倍増した。

 新型コロナウイルス感染症特別貸付(実質無利子・無担保のいわゆるゼロゼロ融資)の借入れ状況は、新型コロナ関連融資を「借り入れしていたが完済」は5.7%、「借入中」は40.6%で、合計46.3%が特別貸付を利用しており、返済開始時期は「すでに返済を開始している」が8割弱(77.4%)で最も多い。また、返済については、4社に3社(75.7%)が「当初の条件で予定通り返済できる見込み」と回答。

 円安の影響については、6割弱(58.3%)が、「経営にとってマイナス」(「経営にとってマイナス」(26.1%)と「どちらかといえば経営にとってマイナス」(32.2%)の合計)。「経営にとってプラス」は1割弱(8.8%)(「経営にとってプラス」(3.2%)と「どちらかといえば経営にとってプラス」(5.7%)の合計)。製造業の7割(70.0%)が「経営にとってマイナス」と回答している。

 円安の具体的な影響(複数回答)は、「原材料、商品、エネルギー価格上昇等に伴うコスト上昇」が7割弱(68.9%)、「コスト上昇に見合う価格転嫁が難しい」(40.3%)、「販売価格上昇による売上・受注の減少」(24.7%)、「自社の輸入コストの上昇」(24.4%)と続く。なお、経営上望ましい為替水準は4社に3社(75.6%)が、「120円台以下(130円より円高)が望ましいと回答。12月4日現在の水準(146円台)から15円以上の乖離がある。

 同調査結果は

https://www.osaka.cci.or.jp/Chousa_Kenkyuu_Iken/Iken_Youbou/20231205cash_flow.pdf