経営経験のない人の16%が起業に関心あり~日本公庫

 日本政策金融公庫が、全国の18歳から69歳までの男女を対象に昨年9月時点で実施した「起業と起業意識に関する調査」結果(有効回答数2万5028人)によると、経営経験の有無を尋ねたところ、「現在事業を経営している」人は6.5%で、「事業を経営したことはない」人が83.2%と多数を占めた。経営未経験者に起業への関心を尋ねたところ、「起業に関心あり」が16.0%、「以前は起業に関心があった」が12.0%となった。

 また、起業無関心層(経営経験がなく、以前も今も起業に関心のない人)は全体のうち55.2%を占める。一方、起業予備軍(経営経験がなく、現在起業に関心がある人)は16.0%、2013年以降に自分で事業を開業し、現在も経営している起業家は1.9%。男性は起業家が2.7%、起業関心層が18.6%を占め、女性は起業家が1.1%、起業関心層が13.3%を占める。起業関心層の割合は、2017年に比べて4.0ポイント増加した。

 起業家の開業業種をみると、「個人向けサービス業」の割合が19.0%と最も高く、次いで「事業所向けサービス業」が12.7%で続き、サービス業で起業する割合が高い。組織形態は、「個人企業」が84.5%にのぼる。現在の従業者数は、「1人(本人のみ)」が65.6%を、主な営業場所は、「自宅と同じ場所」が61.2%をそれぞれ占める。起業形態は、55.1%が「専業として企業」だが、「副業として起業」も42.7%と、相当程度存在する。

 開業費用をみると、「100万円未満」と少額資金で起業する割合が36.3%を占める。開業費用調達額に対する満足度については、「希望どおり調達できた」の割合は74.7%にのぼり、「すこし不足した」(19.8%)、「かなり不足した」(5.5%)を大きく上回る。起業費用に占める自己資金割合が「100%(すべて自己資金)」である割合は65.4%を占め、この割合を起業費用別にみると、起業費用が「100万円未満」の起業家では86.4%にのぼる。

 起業時における金融機関からの借り入れの有無をみると、「借入なし」の割合は82.3%で、この割合を起業費用別にみると、起業費用が「100万円未満」では95.5%、同「100万円以上500万円未満」では84.6%、「500万円以上」では56.6%と起業費用が高くなるにつれて低くなる。なお、現在の月商(1ヵ月当たりの売上高)をみると、「50万円未満」の割合が57.6%を占めており、売上規模は総じて小さいといえる。

 同調査結果の詳細は↓

https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/topics_190117_1.pdf