東京商工リサーチが発表した「100%保証融資に関するアンケート調査」結果(有効回答数4902社)によると、信用保証協会が100%保証する融資で資金を「調達した」との回答は39.1%、「調達していない」は60.8%だった。中小企業では「調達した」が43.3%、「調達していない」が56.6%。「調達した」企業の業種(母数10以上)で最も構成比が高かったのは「道路旅客運送業」、「調達していない」では「政治・経済・文化団体」だった。
融資を調達した金融機関が「メインバンクだった」は71.6%、「メインバンクではなかった」は28.3%。新たな取引先の開拓を進める金融機関は、100%保証融資を積極的に活用してアプローチしていたようだ。「メインバンクだった」と回答した業種の上位は給与水準の業界平均が比較的低位だったり、コロナ禍の影響を受けやすい先が目立つ。金融機関はコロナ禍初期に業種や企業ごとに緊急度を判断して支援したことが影響した可能性がある。
融資がメインバンクからだった企業に対して、その融資(信用保証協会が100%保証する融資)の調達後、メインバンクの対応に変化の有無は、最も多かったのは「特に差は感じない」で83.1%だった。「かなり」と「若干」を合計した「良化した」は13.6%、「悪化した」は3.2%だった。業種別では、「飲食料品小売業」が「良化した」でトップ。「悪化した」は「家具・装飾品製造業」がワーストだった。
また、融資がメインバンクからではなかった企業に対して、その融資(信用保証協会が100%保証する融資)の調達後、その金融機関の対応の変化の有無は、トップは「特に差は感じない」の73.6%。「かなり」と「若干」を合計した「良化した」は16.3%、「悪化した」は4.3%だった。業種別では、「技術サービス業」が「良化した」でトップ。「悪化した」は「生産用機械器具製造業」がワーストだった。
なお、信用保証協会が100%保証する融資を「調達していない」と回答した企業に対して、コロナ禍以前と以後で融資取引のある金融機関の対応の変化の有無は、「特に差は感じない」が84.6%だった。「かなり」と「若干」を合計した「良化した」は10.5%、「悪化した」は4.8%だった。業種別では、「不動産取引業」が「良化した」でトップ。「悪化した」は「宿泊業」がワーストだった。
同調査結果は