新入社員の理想の上司、「丁寧に指導する人」が約8割

 日本能率協会が、同会が提供する新入社員向け公開教育セミナーの参加者を対象に実施した「2023年度新入社員意識調査」結果(有効回答数675人)によると、理想的だと思う上司・先輩(複数回答)は、第1位が「仕事について丁寧な指導をする上司・先輩」で 79.0%と約8割だった。次いで、「言動が一致している上司・先輩」(53.2%)、「部下の意見・要望を傾聴する上司・先輩」(47.3%)が続いた。

 仕事をしていく上での不安(複数回答)は、第1位が「上司・同僚など職場の人とうまくやっていけるか」で68.6%、第2位が「仕事に対する現在の自分の能力・スキル」で65.6%、第3位が「仕事での失敗やミス」で50.7%となった。属性別に結果を抽出したところ、「仕事に対する現在の自分の能力・スキル」では男性60.4%に対して女性73.8%と、女性のほうが仕事をしていく上での不安を多く抱えがちな傾向にあると思われる。

 仕事をしていく上での抵抗感については、「上司や先輩からの指示があいまいでも質問しないでとりあえず作業を進める」について、「抵抗がある」(「抵抗がある」+「どちらかと言えば抵抗がある」)が83.7%となった。属性別に抽出すると、すべての高校卒群の「抵抗がある」のポイントが、高校卒外群より上回った。学生生活やアルバイト等の経験年数が増えることによって、抵抗感が抑えられている傾向にあると考えられる。

 新入社員自身の仕事・働き方に対する考え方について「A.定年まで一つの会社に勤めたい」、「B.機会があれば転職・独立したい」のいずれかを尋ねたところ、「Bに近い」(「Bに近い」+「どちらかというとBに近い」)と答えた割合が30.1%となった。属性別に結果を抽出したところ、「Bに近い」(「Bに近い」+「どちらかというとBに近い」)と答えた割合は高校卒外群34.0%、高校卒群20.6%となった。

 職場でいくつかのシチュエーションに遭遇した際に考えること(複数回答)は、「会社の将来性が見込めなくなったとき」に、78.4%が「転職を考える」と回答。また、第2位は「社風や企業文化が自分に合わないと感じたとき」で72.4%、第3位は「昇給(月給が上がること)が見込めないとき」で59.0%となった。ただし、第3位のシチュエーションは、「同じ職場での仕事を続ける」を選ぶ回答も約30%あった。

 同調査結果は

https://jma-news.com/wp-content/uploads/2023/10/20231003_New-employee-survey_release.pdf