4人に3人が“無自覚”に「ワーケーション」を経験

 テレワークの延長として「ワーケーション」という働き方が注目されている。パーソル総合研究所が発表した「ワーケーションに関する定量調査」結果によると、4人に3人が“無自覚”にワーケーションを経験していることが分かった。ワーケーションを、観光庁は、普段の職場や自宅とは異なる日常生活圏外の場所で、仕事(テレワーク)をしながら自分の時間も過ごすこと、と定義している。

 ワーケーションの実態は、17.4%が、「日常生活圏外の場所で仕事と自分の時間を過ごした」経験(=観光庁の定義に基づくワーケーション)を行ったことがあると回答。また、そのタイプを確認したところ、個人で行うワーケーションの経験が多い。勤務先からの費用補助を受けているのは10人に1人(正社員:13.7%)。有期雇用社員は正社員に比べ、勤務先、国・自治体からの補助を受けていない傾向にある。

 「日常生活圏外の場所で仕事と自分の時間を過ごした」経験者のワーケーションの経験有無は、「経験あり」との回答は25.9%となり、およそ4人に3人が「自分がワーケーションしていること」を自覚していない。また、ワーケーション経験者(無自覚含む)のうち、14.1%が他のメンバーに隠れてワーケーションを行っている。特に、「息抜き集中」、「仕事浸食」、「動機低め」タイプは、5人に1人が隠れワーケーションを行っている。

 ワーケーションを容認している企業(と認知されている割合)は54.8%(「原則容認」31.7%、「条件付き容認」23.1%)とおよそ半数だった。残りの半数は、「ワーケーションの方針が不明・未方針」(40.4%)または「禁止されている」(4.8%)なかでワーケーションを行っている。企業がワーケーションを容認しているほうが、隠れワーケーションは発生しにくい傾向にある。

 ワーケーションの効果では、地域への滞在期間中に有給休暇が充てられた割合(利用日数)は、個人・グループワーケーションのいずれも約44%だった。通常の観光時の有給休暇取得率は34.7%なので、有給休暇取得促進の効果がある。また、就業者の主観的生産性について、ワーケーション期間中は普段の仕事の出来と比べて6~7割程度の生産性しか発揮できていない。

 ワーケーション後に、仕事における意識・行動の変化や成果につながった割合は4~5割程度と、観光群よりも30ポイント程度高い。ワーケーション後に働く幸せ実感が高まった割合は約5割だが、観光群との差異は特段見られない。一方、ワーケーション後にワーク・エンゲイジメントが高まった割合は約4~5割で、観光群よりも15ポイント程度高かった。

 同調査結果は

https://rc.persol-group.co.jp/assets/files/202309120001.pdf