博報堂の生活総研が、首都・名古屋・阪神在住の20~69歳の男女の消費者1500名を対象に8月に実施した「来月の消費予報」によると、9月の消費意欲指数は47.2点で、前月比は-3.4ポイント、前年比でも-0.1ポイントとともに低下した。また、特に買いたいモノ・利用したいサービスがある人の割合は、全体では前月比は-6.5ポイント、前年比でも-2.5ポイントとともに低下して24.8%となった。
消費意欲指数は、調査パネルの一般生活者1500名に対し、「消費意欲(モノを買いたい、サービスを利用したいという欲求)が最高に高まった状態を100点とすると、あなたの来月(9月)の消費意欲は何点ぐらいか」と質問したもの。例年9月は、夏休みや帰省シーズンのある8月に比べて消費意欲指数が低下する月。今年も前月比-3.4ポイント低下、また、前年比では-0.1ポイントで横ばいとなっている。
消費意欲指数の理由(自由回答)をみると、前月と比べて消費にポジティブな回答(8月442件→9月302件)は減少し、ネガティブな回答(8月812件→9月880件)は増加している。具体的にポジティブな回答では、「(夏休み・連休があるからなど)季節的な意欲向上」や、「旅行の予定がある/行きたい」が減少している。ネガティブな回答では、「今月までに多く使った反動で節約」が増加した。
前年と比べると、消費にポジティブな回答(22年9月302件→23年9月302件)は横ばい、ネガティブな回答(同927件→880件)は減少。具体的にネガティブな回答では、「金銭的な理由で節約、我慢」 や、「今後の出費予定のために我慢」が減少。新型コロナ5類移行後初の夏休みや帰省で、財布の紐が緩んでいたシーズンが過ぎ、ガソリンの価格急騰など物価高への懸念で、今年の9月の消費意欲は、例年同様控えめになることが予想される。
また、「特に買いたいモノ・利用したいサービスがある」人の16カテゴリー別の消費意向をみると、前月比、前年比ともに20件以上増加したカテゴリーはない。一方、20件以上減少したのは14カテゴリー、前年比では9カテゴリーだ。なかでも「旅行」、「外食」、「レジャー」は前月比で特に大きく減少した。夏休みシーズンで大きく盛り上がった前月から一転、外出関連カテゴリー中心に、幅広いカテゴリーで消費意向が落ち着いく月となりそうだ。
同調査結果は
https://seikatsusoken.jp/wp/wp-content/uploads/2023/08/202309.pdf