100億円突破企業、10年間で1823社~帝国データ

 帝国データバンクが発表した「『100億円突破企業』の実態調査」結果によると、直近10年間(10期)で年売上高が100億円を突破した企業は、全国に1823社にのぼることが判明した。これは国内企業全体の0.12%にあたり、およそ1000社に1社という狭き門を突破した企業であることが分かる。100億円突破企業の年売上高伸び率を分析すると、最も多いのは年売上高が2~5倍未満となった企業で、641社(構成比 35.2%)が該当する。

 また、年売上高が5倍以上に伸びた企業を「飛躍的成長」企業と定義すると、1823社中 17.1%にあたる312社が該当。100億円突破企業の資本属性を分析すると、非上場企業が1823社中1521社となり、83.4%を占める。ただ、社数に占める飛躍的成長企業の割合でみると、上場企業は3社に1社が飛躍的成長企業に該当。外資系企業は1823社中27社(構成比1.5%)と少ないが、3社に1社は飛躍的成長企業に該当している。

 また、オーナー企業(代表者=筆頭株主<同族含む>)が543社と約3割にとどまり、100億円突破企業は法人等が株主となっている企業が多い。これらを踏まえると、100億円突破企業は法人等を株主としている企業が多く、上場企業や外資系企業が飛躍的成長を遂げやすいという傾向が判明した。100億円規模への業容拡大には、一定の資本力が必須であり、エクイティファイナンスなど直接調達の実施が欠かせない。

 100億円企業を業種別にみると、最も多いのは「卸売業」の567社。次いで、「製造業」(379社)、「サービス業」(276社)と続く。出現率でみると、「卸売業」(0.34%)や「製造業」(0.24%)が高い一方で、「建設業」(0.05%)や「小売業」(0.05%)、「サービス業」(0.07%)が低く、業種ごとに大きなばらつきがある。販売量に一定の“壁”があり、価格競争が激しいBtoCの業態では、100億円突破が難しい現状があるとみられる。

 100億円突破企業のうち、この間の年売上高伸び率が5倍以上となった「飛躍的成長」企業312社について、その成長類型別にみると、成長産業を捉えた「成長市場型」が最多で 127社(構成比40.7%)、成長産業ではないが競争力を高めた「独自価値創出型」が99社(同31.7%)と続く。また、グループ内の事業再編により結果的に年売上高100億円を突破した「事業再編型」も72社(同23.1%)と一定数存在する。

 同調査結果はhttps://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p230712.pdf