博報堂の生活総研が、首都・名古屋・阪神在住の20~69歳の男女の消費者1500名を対象に6月に実施した「来月の消費予報」によると、7月の消費意欲指数は47.1点で、前月比は+0.8ポイントとやや上昇したが、前年比では-1.4ポイントと低下した。また、特に買いたいモノ・利用したいサービスがある人の割合は、全体では前月比は+1.6ポイント、前年比でも+0.5ポイントの28.2%となった。
消費意欲指数は、調査パネルの一般生活者1500名に対し、「消費意欲(モノを買いたい、サービスを利用したいという欲求)が最高に高まった状態を100点とすると、あなたの来月(7月)の消費意欲は何点ぐらいか」と質問したもの。夏休みやボーナス期を迎える7月は、例年消費意欲指数が大きく上昇する月だが、今年は前月比ではやや上昇にとどまった。前年比では-1.4ポイントの低下と、過去5年間の7月として最も低い数値となっている。
消費意欲指数の理由(自由回答)をみると、前月と比べて、消費にポジティブな回答(6月335件→7月361件)はやや増加し、ネガティブな回答(同914件→819件)は減少している。具体的にポジティブな回答では、「(夏休みや夏服を買いたいなど)季節的な意欲向上」、「(ボーナスなどで)金銭的に余裕がある」が増加。ネガティブな回答では、「今後の出費予定のために我慢」が減少し、前月比では7月に特徴的な変化となった。
前年と比べると、消費にポジティブな回答(22年7月396件→23年7月361件)は減少し、ネガティブな回答(同819件→819件)は横ばいとなった。具体的にポジティブな回答では、「(買い物をしていない反動など)満足のため」、「(ボーナスなどで)金銭的に余裕がある」で減少が目立っている。ネガティブな回答では、「金銭的な理由で節約、我慢」がやや増加したのみで、前年から大きく増減した回答はみられなかった。
また、「物価高・値上げ・円安(22年7月113件→23年6月110件→23年7月118件)」は、昨年から引き続き高い水準で推移している。依然続く物価高の影響に加え、コロナ禍明けの反動的な消費意欲が落ち着いたことと、ボーナス期にもかかわらず金銭的な余裕が高まりきらないことから、例年の7月ほど消費意欲の上昇は期待できないようだ。また、16カテゴリー別の消費意向では、前月比20件以上減少したものはなかった。
同調査結果は
https://seikatsusoken.jp/wp/wp-content/uploads/2023/06/202307.pdf