帝国データバンクが発表した「生成AIの活用に関する企業アンケート」結果(有効回答数1380社)によると、生成 AI(人工知能)の活用について、【業務で活用している】と回答した企業の割合は9.1%だった。また、【業務での活用を検討】している企業は52.0%(「活用を具体的に検討していく」14.2%、「現時点では活用イメージが湧かない」37.8%)と全体の半数を超えた。
その結果、生成AIを『活用・検討』している企業の割合は61.1%と、6割を超えた。【業務での活用を検討していない】企業は23.3%だった。活用を検討しているが、現時点では活用イメージが湧かない企業の割合が4割弱と最も高く、業務で生成AIの活用を前向きに検討していきたいと考える一方で、現時点では自社の業務での具体的な使い方やイメージが湧きにくいという実態がみられた。
生成AIの活用状況について規模別にみると、【業務で活用している】企業は、「大企業」が13.1%、「中小企業」が8.5%、「小規模企業」が7.7%と、企業規模に比例して活用の割合が高まる結果となった。また、【業務で活用している】企業で、利用に関する社内ルールがある企業をみると、「大企業」が3.4%に対して、「中小企業」は0.9%、「小規模企業」は0.4%にとどまっている。
他方、【業務での活用を検討していない】企業のなかで、会社から業務での利用を認められていない企業でも、「大企業」(11.4%)が最も高く、「中小企業」(4.7%)、「小規模企業」(4.3%)の順。「情報漏洩リスクが懸念されており、グループ全体で使用禁止になっている」(電気機械製造)など、規模の大きい企業やグループを中心に利用ルールが定められているケースが多い一方で、利用を認められていないケースも多いという傾向がみられた。
生成AIを『活用・検討』している企業が、活用したことがある、または活用したい生成 AI(任意・複数回答)は、ChatGPTなどを含む『文章・コード生成AI(総合型)』が93.1%で最も多く、次いで、『画像生成AI』(14.3%)、『音声・音楽・動画生成AI』(7.4%)が続いた。このうち ChatGPTの登場で特に注目されている『文章・コード生成AI』を具体的にみると、「ChatGPT」(オープンAI社、米)が87.9%で最も多かった。
話題となっている ChatGPTは公開されてまだ半年余りという、新しいサービスだ。現時点ではビジネス上の直接的な利用において課題を抱えているが、これから急速に修正・改良されていくとみられている。今後、生成AIのさらなる機能の開発や国による適切なルール作りが進むにつれ、企業による生成AIの活用や普及を通じて、生産性向上や人手不足の解消に貢献していくことが期待される。
同調査結果は