新入社員は会社を選ぶ際に「仕事の内容」を最重視

 十六総合研究所(岐阜県)が同社主催のセミナー受講者を対象に実施した「2023年度新入社員の意識調査」結果(有効回答数391人)によると、会社を選ぶ際に最も重視したことは、「仕事の内容」が52.7%でトップ、2位は「会社の雰囲気」で20.7%、3位は「会社の将来性」で7.7%だった。「仕事の内容」は2020年以降上昇傾向にあり、今年は前年と比較すると2.0ポイント低下したものの、過去17年間ではなお高い水準にある。

 一方で「通勤に便利」(4.6%)、「家族・先生の勧め」(3.6%)はどちらも過去最低の水準となった。通勤の利便性などの就労条件よりも、どのような仕事に携われるのかという点を重視して、主体的に会社を選んでいる様子が見てとれる。また、職場生活における不安のトップは例年同様「仕事面」で57.5%となり、次いで「先輩・仲間との関係」が14.6%、「生活環境の変化」が11.8%、「上司との関係」が7.2%となった。

 会社の存在意義については、「収入を得る場」が30.9%でトップ、次いで「自己実現の場」が 29.4%、「社会貢献の場」が25.8%。「社会貢献の場」は前年と比べて10ポイント以上減少し、4年ぶりに「収入を得る場」と逆転した。最近の若者は、環境問題やSDGsなどへの興味や関心が高く、社会貢献活動に熱心な印象があるが、会社は「収入を得る場」として現実的に捉え、会社とは別の場所に社会貢献の場を求めている人が多いと思われる。

 「理想の上司」では、トップは「仕事をよく指導してくれる人」で26.6%、次いで「包容力のある人」が17.6%、「人間関係に配慮してくれる人」が16.4%、「誠実で責任感が強い人」が15.3%の順となった。仕事をよく指導してくれる人などの気配り型の上司は70.8%と依然人気が高く過去最高の水準となった。一方、明確な理想・理念を持った人などのリーダーシップ型の上司は7.4%で過去最低の水準となった。

 希望する昇給パターンは、「年功主義」が31.7%、「成果主義」が 35.5%となり、過去17年で初めて「成果主義」が「年功主義」を上回った。「成果主義」と回答した割合は、男性で40.8%、女性で28.9%と男性のほうが高かった。従来の日本型雇用システムである年功序列型賃金ではなく、年齢や勤続年数に関係なく仕事の成果を給料に反映してほしいという考え方は、岐阜・愛知で働く若者の間でも増えているようだ。

 同調査結果は

http://www.16souken.co.jp/assets/202306/9a8688f49876600fc6b57b0a6a6a65ef806e8820.pdf