農林水産省は、食品ロス削減の取組みの進展に活かすため、食品ロス量の推計を行い、消費者庁、環境省とともに公表しているが、2021年度の食品ロス量の推計値は523万トン(前年度比+1万トン)、このうち食品関連事業者から発生する事業系食品ロス量は279万トン(同+4万トン)、家庭から発生する家庭系食品ロス量は過去最少の244万トン(同▲3万トン)となったことを明らかにした。
農水省は、2019年7月に公表した「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律」(食品リサイクル法)の基本方針において、食品関連事業者から発生する事業系食品ロスを2000年度比で2030年度までに半減させる目標を設定している。一般家庭から発生する家庭系食品ロスについても「第四次循環型社会形成推進基本計画」(2018年6月閣議決定)において同様の目標を設定しているところだ。
2021年度の食品ロス量推計値は、523万トンとなり、前年度より0.2%増加。このうち、食品関連事業者から発生する事業系食品ロス量は同1.5%増の279万トン、一般家庭から発生する家庭系食品ロス量は同▲1.2%NO244万トンとなる。また、国民1人当たりの食品ロス量は、1日約114グラム(茶碗約1杯のご飯の量に近い量)、年間では約42キログラム(年間1人当たりのコメの消費量(約51キログラム)に近い量)に相当する。
「食品ロス」とは、本来食べられるにもかかわらず捨てられている食品。2015年9月に国際連合で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」で定められている「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals:SDGs)のターゲットの1つに、2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食品廃棄物を半減させることが盛り込まれるなど、国際的な食品ロス削減の機運が近年高まっている。
我が国においても、食品ロス削減の取組みを「国民運動」として推進するため、2019年に食品ロス削減推進法が施行され、2020年3月には、基本方針(「食品ロスの削減に関する基本的な方針」)が閣議決定された。農水省は、今後とも事業者や消費者、地方公共団体、関係省庁とも連携し、より一層の食品ロス削減のための取組を進めていくとしている。