日本政策金融公庫が、従業員20人以下の小規模企業を中心に3月中旬に実施した「信用保証利用企業動向調査」結果(有効回答数3963社)によると、資金繰りDI(前期比、「好転」−「悪化」、季節調整値)は、2023年1~3月期実績ではマイナス幅が前期から11.8ポイント縮小の▲13.4と、中小企業の資金繰りは大幅に改善した。来期2023年4~6月期はマイナス幅が同3.8ポイント縮小の▲9.6とさらに改善する見通し。
また、今期(1~3月期)に借入を実施した企業の割合は、前期比0.7ポイント減の15.2%と横ばい。従業員規模別にみると、「0~20人」が同1.0ポイント減の13.3%、「21人以上」は同1.5ポイント減の22.4%。一社当たりの借入金額構成比は、「1千万円以下」が同0.4ポイント減の37.1%、「1千万円超5千万円以下」が同1.6ポイント減の42.4%、「5千万円超」が同2.3ポイント増の20.4%で、平均借入金額は4909万円だった。
今期に借入を実施した企業のうち、保証を利用した企業割合は、前期比10.0ポイント増の62.8%と大幅に増加。保証利用割合別では、「全額利用」の割合は同8.8ポイント増の53.4%、「一部利用」も同1.2ポイント増の9.4%と、ともに増加した。来期(4~6月期)における保証利用要請DI(前期比、「強くなると思う」−「弱くなると思う」、季節調整値)はマイナス幅が同3.2ポイント縮小の▲0.7とやや上昇した。
一方、生産・売上DI(前期比、「増加」−「減少」、季節調整値)は、今期はマイナス幅が前期比16.1ポイント減と大幅縮小の▲4.8となった。来期はマイナス幅が0.9ポイント縮小の3.9が見込まれる。また、採算DI(前期比、「好転」−「悪化」、季節調整値)は、今期はマイナス幅が同15.9ポイント減と大幅縮小の▲16.7となり、来期はマイナス幅が同10.7ポイント減と大幅縮小の▲6.0の見通しとなっている。
なお、新型コロナウイルス感染症による企業活動へのマイナスの影響については、1~3月期において「現在影響あり」と回答した企業は66.3%と、前期と比べて3.5ポイント低下し、20年4~6月期以降、最も割合が低くなっている。業種別にみると、すべての業種で「現在影響あり」と回答した企業が前期と比べて低下しており、なかでも卸売業は7.5ポイント低下している。
同調査結果は