マンパワーグループが、企業の人事担当者の20代~50代の男女400名を対象に実施した「オンライン研修の導入状況と効果調査」結果によると、勤務先の企業で行っているオンライン研修(複数回答)は、「直接業務に関わる教育・研修は特に行っていない」(59.5%)が全体の約6割を占めた。また、「オフラインのみで行っている」はわずか5.5%にとどまり、全体の35.0%は、何らかの業務に関わる教育・研修をオンラインで実施している。
実施している教育・研修の内容については、マネジメント能力・コミュニケーション能力など「ヒューマンスキル向上に関する研修」(19.8%)、「キャリア教育・研修」(19.3%)、「リスク管理に関する研修」(19.0%)が僅差でいずれも2割弱だった。一方、「資格・技能などに関連する研修」は、IT・OA関連においても、そのほか簿記・語学などの領域においても、実施している企業は1割弱という結果になった。
オンライン教育・研修の導入の理由(複数回答)は、「コロナ禍の影響を受けたから」(36.4%)が最も多い結果となった。以下、「リアルタイムでなくても参加できるから」(33.6%)、「時間を有効活用できるから」(32.9%)、「さまざまな場所から参加できるから」(30.0%)が3割超で続いた。研修参加における従業員の負荷や抵抗感を低減できると考え、オンライン研修を導入している企業が多いようだ。
効果がないと思ったオンライン教育・研修は、「特にない」(49.3%)が約5割を占めたことから、約半数の企業は、オンラインによる教育・研修の効果を感じていることがうかがえる。一方、効果がないと思った教育・研修(複数回答)では、「ヒューマンスキル向上に関する研修」(21.4%)、「キャリア教育・研修」(21.4%)、「リスク管理」(16.4%)、「ITOA系の資格・技能などに関する研修」(15.7%)などが挙げられた。
効果がないと思った理由について聞いたところ、従業員のモチベーションを高めることが難しい点に課題を感じている声が多くあった。オンライン教育・研修は、各自が個別に研修を受けるため、対面と比較して研修を受けるリアリティが薄い点や、ほかの従業員と団結感を高める機会になりにくい点なども、従業員のモチベーションに影響しているといえそうだ。さらに、研修を受ける側の従業員次第で効果も変わってくるとする声も多くあった。
同調査結果は