厚労省、「副業・兼業に取り組む企業の事例」を公表

 厚生労働省は、2022年8月から10月にかけて副業・兼業に取り組む民間企業11社に対してヒアリングを行い、その結果を「副業・兼業に取り組む企業の事例について」としてまとめ公表した。同省では、企業も働く人も安心して副業・兼業に取り組むことができるよう、「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を策定し、副業・兼業の解禁にあたり必要な準備や、労働時間や健康管理の方法等を明確化するなどの取組みを進めている。

 同事例集によると、副業・兼業の解禁状況は、ヒアリングを実施した企業(11社)では、いずれも副業・兼業の実施にあたり、事前に届出や許可申請を行うことをルールとして定めていた。また、多くが雇用による副業・兼業を解禁していた(9社)が、非雇用による副業・兼業に限り解禁している企業も見られた(2社)。また、他に本業のある人材(副業・兼業人材)を、雇用による副業・兼業人材の受入れに意欲的な企業も見られた(2社)。

 副業・兼業により、「新たな人脈やスキルを獲得し、労働者の成長につなげてほしい」、「主体的なキャリア形成をしてもらいたい」などとして、副業・兼業を積極的に推進したいと考える企業もあれば、「自由な時間の過ごし方の選択肢の1つとして、副業・兼業の機会を提供している」、「副業・兼業は自己実現の手段」などとして、副業・兼業を実施するか否かは労働者の自由に委ね、積極的な推進を行うものではないと考える企業も見られた。

 ヒアリングを実施した全ての企業で、本業に支障のある副業・兼業、競業や利益相反に当たる副業・兼業などを原則禁止と定めており、副業・兼業の実施にあたっては申請書または誓約書の提出を求め、人事部等で審査、承認等を行っていた。申請書への記載事項としては、副業・兼業先での業務内容や、実施期間、実施形態(雇用または非雇用)、実施時間数(時間帯、頻度を含む)などが多く見られた。

 自社での業務を本業としてもらいたいと強く考えている企業にあっては、副業・兼業を許可制とし、自社での勤務に影響が出ないよう、副業・兼業の実施時間や頻度等について厳しく審査を行っている企業も見られた。同業他社での副業・兼業であっても、一律禁止とはせずに、承認の可否を業務の内容から判断している企業も見られた。社内の業務に必要な能力形成を優先するため、勤続年数についての要件を設けている企業も見られた。

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