2017年度福利厚生費は3年ぶりに11万円台を下回る

日本経団連が発表した「2017年度福利厚生費調査」結果(有効回答数658社)によると、調査企業が2018年3月までの1年間(2017年度)に負担した福利厚生費は、従業員1人当たり1ヵ月平均10万8335円で、前年度から3.1%減少し、3年ぶりに11万円台を下回った。同調査は、1995年度から毎年実施し、今回で62回目。回答企業の労務構成は、1社当たり平均従業員数が4661人、平均年齢が42.0歳だった。

 調査結果によると、福利厚生費のうち、社会保険料等の企業拠出分である法定福利費は、前年度比2.0%減の8万4884円となった。企業が任意に行う福祉施策に要する費用である法定外福利費は、回答業種の業種構成の変化に伴い、同7.0%減の2万3452円となった。月例給与と賞与・一時金を含めた現金給与総額(55万8532円)に対する比率は、福利厚生費全体が19.4%で、このうち、法定福利費は15.2%、法定外福利費は4.2%となった。

 法定福利費は、現金給与総額のマイナスの伸び(55万8532円、前年度比1.3%減)を上回って減少しており、雇用保険料の引下げ等の影響などから費用が減少した。内訳をみると、「健康保険・介護保険」は前年度比1.7%減の3万1119円、「厚生年金保険」は同1.4%減の4万7375円となった。料金改定のあった「雇用保険・労災保険」は同12.7%減の5123円、「子ども・子育て拠出金」は同13.5%増の1182円と、それぞれ大きく増減した。

 法定外福利費は大幅減少となったが、内訳をみると、「住宅関連」1万1436円(前年度比7.4%減)、「医療・健康」2802円(同10.8%減)、「ライフサポート」5606円(同6.0%減)、「文化・体育・レクリエーション」1774円(同10.8%減)と主要な施策は軒並み前年を下回った。その中にあって「育児関連」費用は409円(同11.1%増)と初めて400円を超え、右肩上がりの伸びをみせている。

 なお、「通勤手当・通勤費」は従業員1人平均9030円で前年度と比べ0.1%減、「退職金(退職一時金と退職年金の合計額)」は4万6125円、同12.8%減だった。また、「カフェテリアプラン消化ポイント総額」は円換算で4842円となり、利用実績が分かる導入企業は97社だった。カフェテリアプランとは、従業員に一定の福利厚生利用枠と給付の選択肢を与え、従業員が個々の必要性に応じて給付を選択する仕組み。

 同調査結果の概要は↓
http://www.keidanren.or.jp/policy/2018/103.pdf
http://www.keidanren.or.jp/policy/2016/103.pdf