三菱総合研究所が発表した「メタバースの認知・利用状況に関するアンケート」では、今回、新たに実施したアンケート結果に加え、毎年6月に実施している生活者市場予測システム(mif)の2022年データ、及び他機関の公開情報を活用し、認知率や利用率の経時変化を分析したところ、認知率は増加傾向を維持しており、2022年12月で83%に達している。一方、利用率はあまり変化せず、5%程度にとどまっていることなどが分かった。
調査結果(有効回答数1万人)によると、メタバースの認知状況については、2022年6月調査と同年12月の今回調査を比較すると、「他者に説明できるレベル」で知っている回答者割合(回答者平均で4.5%から11.6%)も「他者に説明できないレベル」で知っている回答者の割合(回答者平均で58.2%から71.7%)も、ともに増加していることが分かった。特に、前者については、この半年間で2.5倍以上にまで増加している。
メタバースの利用状況は、2022年12月時点で、「何らかの形でメタバースを利用」したことがある回答者の割合は全体の5.5%だった。このうち月に1回以上アクセスしている人の割合は1/3程度となる。なお、メタバースの利用経験者割合は、男性が女性の約2.5倍大きくなっている。利用率についても年齢の影響が顕著に表れており、若年層ほど利用率が高い傾向が見てとれる。
メタバース利用経験者のメタバースへの主要アクセス手段は、「スマホ・タブレット」が6割、PCやゲーム機等の「2Dディスプレイ」が2割、残りの2割が「VR等」になった。年齢別にみると、30代及び40代以後では、アクセス手段に明確な差異はみられないが、10代+20代では、スマートフォン・タブレットの比率が高く、PC・ゲーム機の比率が低い。VR機器の利用比率も多少低めだが、PC・ゲーム機ほどの顕著な差はみられない。
メタバースの応用領域について、現在の利用状況と10年程度後を想定した将来への期待(複数回答)を挙げてもらったところ、現在、将来ともに「ゲーム」への期待が高いことが分かった。また、全体的に「余暇・娯楽に関する応用」への期待は高いが、将来への期待として、「ビジネス応用」を挙げた回答比率が相対的に高くなっている。特に、教育・学習、医療・健康、遠隔会議への期待の高さが目につく。
同調査結果は
https://www.mri.co.jp/knowledge/column/dia6ou0000054w41-att/mtr_20230330.pdf