2022年度エステサロン市場規模は3141億円の見込み

 矢野経済研究所が発表した「国内エステティックサロン市場調査」結果によると、2022年度のエステティックサロン市場規模は、前年度比▲2.9%の3141億円(事業者売上高ベース)と、3年連続縮小の見込みだ。分野別にみると、全体の65.4%を占めるレディスの施術(美顔、痩身・ボディ、脱毛、その他の合計)市場は2055億円(前年度比▲4.5%)、メンズエステ市場が96億円(同3.2%増)、物販市場が990億円(同▲0.2%)と見込む。

 2022年度は、近年レディスの施術市場を牽引していた脱毛分野の、全国規模の出店をベースとするナショナルチェーン2社の破綻と他社への事業譲渡による店舗数減少の大きな影響を受ける見込み。2022年度のメンズエステ市場がプラス推移にあるのは明るい材料。これまではある程度経済的にも余裕のある中高年層が主力だったのに対し、20代や30代といった若い年代の男性がエステの施術に関心をもち、実際にサロンに通い始めている。

 2022年度のメンズエステ市場の伸長はコロナ禍前とは異なる客層の新規流入という点で、一時的な流れではなく、中長期的に定着を見込める客層として期待される。男性客は、かつては美的意識が高く、金銭的にも時間的にも余裕のある大人層という明確な傾向があった。しかし、美意識の高まりが、一部の層ではなく広く浸透するようになっている20代を主とする男性客の増加が顕著となったことで、市場は微増推移が見込まれる。

 2023年度のエステティックサロン市場規模は、前年度比0.2%増の3148億円と予測。2022年に表面化した脱毛サロンの返金トラブルや経営破綻は、今後業界が獲得していく必要のある若い世代にとって、エステサロンに対する心配や不安を少なからず増幅させた可能性がある。気軽にそして安心して通える印象をもってもらい、エステサロンの実力を示すことで新規顧客として定着化を図ることがいま必要とされている。

 同調査結果は

https://www.yano.co.jp/press/press.php/003197