物価高騰・食品値上げの影響で「節約」は約4割に

 電通が全国の15~79歳の男女計1300人を対象に実施した「食生活に関する生活者調査」結果によると、物価高騰・食品価格の値上げを理由に「食費を節約している」(21.1%)と値上げで「今後の節約を考えている」(20.9%)の合計は、全体の約4割(42.0%)を占めた。さらに、値上げにかかわらず「もともと節約している」(34.8%)を加えると、4人に3人(76.8%)が食費の節約を意識していることが分かった。

 値上げをしたら節約したいものは、「レトルト食品やインスタント食品」(51.8%)、「テイクアウトや総菜、弁当」(49.2%)などが上位。逆に、値上げでも今まで同様お金をかけたいものは、「肉や魚、野菜などの生鮮食材」(48.3%)、「記念日など特別な日の家での食事」(47.7%)などが高かった。食品のカテゴリーや食事のシチュエーションごとの支出に優先順位をつけることで、食生活の全体的な満足度は下げたくないという傾向がみられた。

 この1~2年の食生活の傾向や実態として、コロナ禍で外食しない生活が続いたため、「以前よりも外食にお金を使わなくなった」との回答は約7割(69.7%)を占めた。また、コロナ禍で外食できなかった反動で、「外食に行きたい気持ちが強くなった」との回答した人(48.8%)と、「外食にあまり行きたいと思わなくなった」と回答した人(51.2%)の割合は、ほぼ同数となった。

 リモート飲み会やリモート会食と称した自宅からオンラインで参加する会食スタイルはコロナ禍で一気に広まったが、会食においては約8割(78.2%)の人が「会食は飲食店でリアルに参加する方が好き」と回答した。一方、若い世代では「会食はオンラインで自宅から参加するほうが好き」と回答した人が多く、最も高い20代では3人に1人(35.5%)の割合となった。

 なお、食生活の満足度と幸福度の関係については、4人に3人(73.6%)が「食生活の満足度が幸せに関係がある」(「とても関係がある」、「まあ関係がある」の合計)と回答。「食生活の満足度が幸せに関係がある」と回答した人の割合は、男女ともに20代が最も低く、年齢が上がると高くなる傾向にある。食生活の実態として3人に2人(65.1%)が「多少健康に悪くても、食べたいものを食べたい」と回答している。

 同調査結果は

https://www.dentsu.co.jp/news/item-cms/2023002-0209.pdf