2022年1年間の倒産件数は6376件と、前年から6.0%増加し、2019年以来3年ぶりの増加となったことが、帝国データバンクが発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)で分かった。コロナ禍での減少が続いてきたなか、2022年5月以降は増加基調が続いたこともあり、前年から300件以上の増加を記録するなど、コロナ禍で初の増加となった。
一方、負債総額は2兆3723億8000万円(前年1兆1633億900万円)と、前年比で3.9%増加した。6月に発生したマレリホールディングス(株)の法的整理の影響もあり、2017年以来5年ぶりに2兆円台を記録した。負債額最大の倒産は、その持ち株会社(自動車部品製造)マレリホールディングス(株)(埼玉県、民事再生法、6月)の1兆1856億2600万円だった。
倒産件数を業種別にみると、小売業を除く全業種で前年を上回った。サービス業(前年1425件→1601件、12.4%増)は、2017年以来5年ぶりに100件以上の増加。特に老人福祉事業(同67件→129件)で大幅増となり、2000年以降で初めて三ケタを記録した。年間を通して資材価格の高騰が続いた建設業(同1066件→1204件、12.9%増)は、2008年以来14年ぶりに前年から件数増加となった。
負債規模別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産は3682件(前年比0.5%増)、構成比は57.7%(同▲3.2ポイント)で、2年連続減少した。また、「1億円未満」や「5億円未満」で前年から100件以上の大幅増を記録するなど、中小零細規模での倒産増加が目立った。資本金規模別では、資本金1000万円未満(個人事業主含む)の倒産は4297件(前年比6.3%増)発生し、負債は2999億4700万円(403億9100万円増)だった。
地域別にみると、9地域中6地域で前年を上回った。関東(前年2246件→2348件、4.5%増)は、卸売業(同316件→383件)やサービス業(同631件→676件)などの増加が、全体の件数を押し上げた。東北(同232件→348件、50.0%増)は、1月~10月まで10ヵ月連続で増加した影響もあり、前年比50%の大幅増を記録。また、近畿(同1529件→1578件、3.2%増)は、京都(同188件→231件)や滋賀(同43件→68件)の増加が目立った。
同倒産状況の概要は