パートタイム起業家の4割以上が女性~日本公庫

 日本政策金融公庫は昨年11月に全国の18歳~69歳の男女を対象に「2022年度起業と起業意識に関する調査」を実施した。同調査では、事業に充てる時間が1週間に35時間以上を「起業家」、35時間未満を「パートタイム起業家」と分類している。調査結果(有効回答数2681人)によると、起業家は「29歳以下の割合」が高く、パートタイム起業家は「女性の割合」がかなり高いことが明らかになった。

 年齢(起業家、パートタイム起業家は起業時の年齢)を類型別にみると、起業家、パートタイム起業家、起業関心層は「29歳以下」の割合(順に35.4%、33.0%、27.2%)が最も高い。起業無関心層は、ほかの類型と比べて「60歳代」(21.5%)の割合が高い。性別をみると、起業家では「男性」が75.6%、「女性」が24.4%、パートタイム起業家では順に56.1%、43.9%となった。起業無関心層では、「女性」(57.5%)が半数を超える。

 起業した業種は、「個人向けサービス業」の割合が起業家(22.9%)とパートタイム起業家(26.0%)ともに最も高く、「事業所向けサービス業」(起業家13.1%、パートタイム起業家12.3%)がそれに続き、起業家、パートタイム起業家ともにサービス業が占める割合は3分の1以上を占めている。組織形態は、「個人企業」の割合が起業家で89.9%、パートタイム起業家で96.5%と大半を占める。

 起業費用をみると、起業家では「50万円未満」とする割合が32.4%と最も高く、「費用はかからなかった」(28.5%)がそれに続く。パートタイム起業家では「費用はかからなかった」とする割合が46.3%と最も高く、「50万円未満」(39.4%)を合わせると8割を超える。起業費用に占める自己資金の割合が「100%(自己資金だけで起業)」である割合は、起業家が70.5%、パートタイム起業家が75.1%にのぼる。

 現在の月商が「50万円未満」である割合は、パートタイム起業家では92.5%と、起業家(60.3%)に比べてかなり高い。現在の採算状況が「黒字基調」である割合は、起業家が74.3%、パートタイム起業家が71.1%と、ともに「赤字基調」の割合を大きく上回っている。現在の業況は、「良い」割合が起業家で15.8%、パートタイム起業家で16.2%、「やや良い」が起業家で51.9%、パートタイム起業家で51.6%となった。

 同調査結果は

https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/kigyouishiki_230112_1.pdf