11月の実質賃金指数、8年6ヵ月ぶりの減少幅▲3.8%

 厚生労働省が公表した「毎月勤労統計調査」結果速報によると、従業員5人以上の事業所の11月の一人平均現金給与総額は、前年同月比0.5%増の28万3895円で11ヵ月連続の増加となった。給与総額のうち、基本給に当たる所定内給与は1.5%増の24万9550円で13ヵ月連続の増加、残業代などの所定外給与は5.2%増の1万9566円で20ヵ月連続の増加、賞与など特別に支払われた給与は▲19.2%の1万4779円で6ヵ月ぶりの減少となった。

 この結果、所定内給与と所定外給与を合計したきまって支給する給与は、前年同月比1.8%増の26万9116円で13ヵ月連続の増加となった。現金給与総額を就業形態別にみると、一般労働者は0.2%増の36万8358円、パートタイム労働者は2.2%増の10万1888円。なお、物価の変動分を考慮した実質賃金指数は、消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)が4.5%上昇し、▲3.8%と8年6ヵ月ぶりの減少幅で8ヵ月連続で減少した。

 また、11月の一人平均総実労働時間は、前年同月比▲0.2%の139.1時間で2ヵ月連続の減少。内訳は、所定内労働時間が▲0.5%の128.6時間で2ヵ月連続の減少、所定外労働時間は2.7%増の10.5時間で20ヵ月連続の増加。景気との連動性が高い製造業の所定外労働時間(季節調整済指数、前月比)は▲3.8%と4ヵ月連続の減少。就業形態別にみると、一般労働者は▲0.3%の166.2時間、パートタイム労働者は0.2%増の80.5時間だった。

 一方、11月の常用労働者数は、前年同月比1.1%増の5172万1千人となり、201ヵ月連続の増加。就業形態別にみると、正社員などの一般労働者は1.0%増の3529万人で118ヵ月連続の増加、パートタイム労働者は0.9%増の1643万1千人で20ヵ月連続の増加。主な産業についてみると、「製造業」は▲0.3%、「卸売業、小売業」は▲1.2%、「医療、福祉」は2.3%増となった。なお、勤労統計の速報値は、確報で改訂される場合がある。

 11月分結果速報の概況はhttps://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r04/2211p/dl/pdf2211p.pdf