政府は23日、NISA制度の抜本的拡充・恒久化などを中心とした税制措置を盛り込んだ2023年度の税制改正大綱を閣議決定した。来年召集予定の通常国会に税制改正法案を提出し、今年度中の成立を目指す。閣議決定された税制改正大綱によると、2023年度税制改正による増減収見込額は、平年度で国税が10億円の減収、地方税が89億円の減収となり、平年度で合計99億円の減収を見込んでいる。
国税関係での減収項目は、個人所得課税での「NISAの抜本的拡充・恒久化」の▲150億円、法人課税での「研究開発税制の見直し」の▲130億円、「オープンイノベーション促進税制の拡充」の▲30億円がある一方で、増収項目は、資産課税での「資産移転の時期の選択により中立的な税制の構築」(70億円の増収)、消費課税での「航空機燃料税の税率の見直し」(190億円の増収)などがあり、平年度では差し引き▲10億円の減収となる見込み。
地方税関係では、国税の税制改正に伴う「個人住民税」の▲50億円を始め、固定資産税で、「中小企業等の生産性向上や賃上げの促進に資する償却資産の導入に係る特例措置の創設」の▲15億円や「福島国際研究教育機構に係る税制上の優遇措置の創設」の▲9億円など計35億円の減収などがある一方で、増収項目は、国税の税制改正に伴う「法人事業税」の3億円があるくらいで、平年度では差し引き89億円の減収を見込む。
なお、国税の2023年度改正における自動車重量税のエコカー減税の見直しによる増収見込額は平年度350億円、初年度20億円。他方、2021年度から23年度にかけて追加的に発生したエコカー減税制度による減収見込額は▲110億円程度。ダイレクト納付の利便性の向上によって、2023年度に帰属予定だった法人税額の一部(20億円)及び消費税額の一部(30億円)が、納付時期のずれにより、2024年度税収に帰属することとなる。