日本経団連が発表した「政策等に関するアンケート調査」結果(有効回答数245社)によると、今後1年程度の短期に重要視する事業上のリスク(3つまで回答)の最多は、「資源価格の急激な上昇」(62.4%)だった。次いで、「サプライチェーンを巡る課題」(41.6%)、 「金融資本市場の混乱(為替等)」(39.6%)が続く。「新型コロナ感染症の長期化」(26.9%)は、前回6月発表の春の調査よりも▲19ポイントの大幅減少となった。
特に製造業では「サプライチェーンを巡る課題」(54.2%)、非製造業では「必要な人材の不足」(30.4%)の回答が多い。また、今後2~5年程度の中期に重要視する事業上のリスク(3つまで回答)は、「必要な人材の不足」(43.3%)、「従来型ビジネスモデルの陳腐化」(32.2%)が今春調査に引き続き、上位。前回と比較して「国内DX対応の遅れ」(13.4ポイント増の21.6%)、「軍事衝突・テロ」(7.2ポイント増の20.4%)の回答が増加した。
今後1年程度の短期における政府への政策要望・対応(5つまで回答)については、「資源価格変動への対応」(60.8%)、「金融資本市場の安定化」(51.4%)が上位となった。特に後者は今年春の調査(38.6%)から12.8ポイント増と大きく増加。製造業では「サプライチェーン多元化・強靭化への支援」(35.0%)、非製造業では「防災・減災、国土強靭化に向けた対応」(26.4%)が多い。
今後2~5年程度における政府への政策要望・対応(5つまで回答)は、「GX推進への支援」(44.1%)、「DX推進への支援」(43.7%)が、製造業・非製造業を問わず、4割強の企業が回答した。「人への投資への支援」(26.5%)は前回調査から12.9ポイント増と大きく増加。製造業では「国際経済秩序の維持・強化への対応」(41.7%)、非製造業では「防災・減災、国土強靭化に向けた対応」(32.8%)が多い。
なお、事業コスト上昇の影響と対応では、事業コスト上昇のうち影響が大きいもの(複数回答)として、約8割(83.7%)の企業が「原材料・エネルギー価格の上昇」と回答した。事業コスト上昇の影響を受けた企業のうち、約6割(60.6%)の企業が販売価格への転嫁が「一定程度できている」と回答。製造業は68.5%の企業が「一定程度できている」と回答し、非製造業(52.7%)より転嫁できている。
同調査結果は