帝国データバンクが発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、11月の倒産件数は570件で、前月比では▲4.0%減少したものの、前年同月比では21.8%増加し、7ヵ月連続の前年同月比増加となった。11月として前年同月から100件以上増加したのは、リーマン・ショック直後の2008年並み。2022年5月以降のコロナ禍での増加基調は加速している。
一方、負債総額は1286億2700万円(前月806億2600万円、前年同月814億9700万円)となり、前月比では59.5%増、前年同月比でも57.8%の増加となった。鶏卵大手のイセ食品グループの法的整理が複数発生した影響もあり、前年同月から大幅に増加。11月としては、2019年以来3年ぶりに1000億円超えを記録した。11月の負債額トップは、養鶏業の冨士たまご(株)(会社更生法、静岡県)の109億円だった。
業種別にみると、全業種で前年同月を上回った。製造業(前年同月56件→70件、25.0%増)では、特に食料品・飼料・飲料製造(同4件→12件)が大幅に増加し、全体の件数を押し上げた。小売業(同89件→104件、16.9%増)でも、料理品小売や食肉小売など飲食料品小売(同7件→22件)が大幅に増加。製造業、小売業ともに食料品関連の業種での倒産増加が目立った。
負債規模別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産は315件(前年同月比13.7%増)で、4ヵ月連続の前年同月比増加、構成比は55.3%を占めた。また、「1億円未満」は90件(同32.4%増)、「5億円未満」では122件(同24.5%増)発生し、中小零細規模での倒産増加が目立った。そのほか、「100億円未満」は2020年4月以来、2年7ヵ月ぶりに5件を記録。資本金規模別では、「個人+1000万円未満」が391件(同15.0%増)発生した。
地域別にみると、9地域中7地域で前年同月を上回り、2ヵ月連続で全都道府県において倒産が発生した。関東(前年同月151件→214件、41.7%増)は、東京(同64件→110件)が大幅に増加し、3ヵ月連続で100件台を記録。他にも埼玉(同19件→27件)や群馬(同3件→7件)などで増加した。また、中部(同65件→79件、21.5%増)は、製造業(同8件→14件)や小売業(同14件→20件)などで大幅増となった。
同倒産状況の概要は