三菱UFJリサーチ&コンサルティングが発表した2022年冬のボーナス見通しによると、2022年冬の民間企業(調査産業計・事業所規模5人以上)のボーナスは、一人当たり平均支給額が39万458円、前年比+2.5%と、コロナ禍の影響が剥落し、本格的な回復を見込んでいる。感染拡大が経済活動に与える影響が薄らいできたことに加え、改善が続く企業業績、堅調な雇用情勢がボーナスの押上げ要因とみている。
昨年冬のボーナスは、コロナ禍からいち早く回復した製造業の増加が大きかったものの、ホテル・宿泊業など対面型サービス業を中心に非製造業では減少し、全体でも前年比+0.1%とわずかな増加にとどまった。今年は、製造業の順調な増加が続くうえ、コロナ禍で打撃が大きかった非製造業の支給額が増加に転じ、夏に続いて冬のボーナスも大きめの増加となることを予想する。
コロナ禍での業績悪化で支給を取りやめていた事業所での支給が続々と再開され、支給労働者割合は83.4%(前年差+0.9%ポイント)と2年連続で上昇すると予測。同割合はコロナ前の2019年の水準には届かないものの、雇用者数の増加が続く中で、ボーナスを支給する事業所で働く労働者の数は4291万人(前年比+1.5%)まで増加し、コロナ前を上回って過去最大となる公算が大きいとみている。
ボーナスを支給しない事業所に雇用される労働者も含めた全労働者の一人当たり支給額は、前年比+3.6%と、2年連続の増加を予測。また、一人当たりボーナス支給額と支給労働者数の増加を反映して2022年冬のボーナスの支給総額(一人当たり支給額×支給労働者数)は、16.8兆円(前年比+4.1%)と2年連続で増加し、コロナ前2019年の水準を超え、2001年以来の高水準が見込まれ、個人消費の回復を下支えすることが期待される 。
2022年冬の国家公務員(管理職及び非常勤を除く一般行政職)のボーナス(期末・勤勉手当)の平均支給額は65万1100円(前年比-0.1%)と小幅に減少すると予測する。これは、昨年の給与法改正の遅れで減額が間に合わず、高めの支給額だった昨冬ボーナスの反動が減少の主因となる。基調としては下げ止まり、来年以降は、民間の動きを後追いする形でボーナスは増加に転じる公算が大きいとみている。
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