食品の「値上げラッシュ」が今年最大の山場を迎える。帝国データバンクが、上場する主要飲食料品メーカー105社における、2022年以降の価格改定計画(値上げ、実施済み含む)を調査した結果、9月末までに累計2万665品目の値上げが判明した。このうち、10月単月の値上げは6699品目となり、前月(9月:2424品目)からは2.8倍、これまで年内最多だった8月の2.6倍と記録的な値上げとなる。
先月までに値上げされた1万3066品目と合わせ、年内に値上げが予定・計画された2万665品目の9割以上が、10月までに値上げを終える。各品目の価格改定率(各品目での最大値)は平均で14%に達し、原材料高や急激に進んだ円安を反映した夏~秋以降の大幅な価格引上げが、全体の値上げ率上昇を招く要因となった。値上げ率平均のうち、10月単月では16%に達した。
10月は、8月の18%に次ぎ、既に値上げが済んだ1~9月を含めた年内10ヵ月のなかでは2番目に高い水準だった。春先から続く小麦や食用油価格の上昇に加え、原油高に伴う包装資材や容器、物流費の高騰、今夏から急速に進行した円安水準などが重なり、食品分野を問わず大幅な価格アップに踏み切るケースが多かった。食品分野別に値上げとなった品目をみると、最も多いのは「加工食品」で年内8530品目が判明した。
加工食品は、値上げ率も平均で16%に達し、特に秋以降にかけて大幅に値上がりする食品が多くみられた。「調味料」では4808品目となり、特に食用油の高騰を背景に、マヨネーズ製品やドレッシング製品などの複数回値上げが目立つ。「酒類・飲料」(3970品目)は、ビール類や焼酎、炭酸飲料や缶コーヒーなどほとんどの飲料が一斉に値上げされる10月に2991品目が値上げとなり、10月全体の4割超を占めた。
各食品分野のうち、値上げ品目が増加したのは「乳製品」(985品目)で、前月から285品目増加した。パック牛乳などのほか、ヨーグルトやスライスチーズ、乳幼児向けの粉ミルク製品などを中心に価格が引き上げられる。輸入飼料の価格高騰などを背景に、飲用・発酵乳用途向けの生乳取引価格が11月以降引き上げられるほか、ホエイなど輸入原料乳価格の上昇も背景にある。
同調査結果は↓